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2007年04月17日

大誘拐

天藤真:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
紀州随一の超大富豪・柳川家の女主人とし子刀自が、「虹の童子」と名乗る
ものに誘拐された。要求された身代金はなんと百億円。しかも犯人は、
金と引換えの場面をテレビで中継せよと捜査陣を煙に巻く。
いよいよ身代金受渡しの場面となるが、前代未聞の大事件はさてどんな
結末に。

天藤真:1915年-1983年
1962年、作家活動開始
1963年、第二回宝石賞受賞
1979年、本書で第三十二回日本推理作家協会賞受賞

ちょっと過去のお方でございますな。
しかーし。
今読んでも決して古くさくない。
非常におもしろかったです。
全集が創元推理社から出てるので、集めてみたくなっちゃったよ。
本書は映画にもなってるそうな。素直な作りなので、このユーモアを
生かせているなら、おもしろいと思われる。

さて。
紀州一の大富豪・柳川家の当主とし子刀自(刀自という言い方がいいなぁ)
は御年八十二。
刑務所の雑居房で知り合ったスリ師戸並健次と秋葉正義、三宅平太は
社会復帰を果たす元手を手に入れるため、その大富豪を誘拐しようと
計画する。
すったもんだの下調べの後、ようやく誘拐することには成功するが、
身代金5千万円と聞いた刀自は、大激怒。
なんと身代金を100億円に!!
そして、誘拐された刀自が犯人たちを指示して、100億を手に入れる
ための奇想天外な「誘拐劇」が幕をあける。

ちょっとね。有閑倶楽部、思い出しちゃいましたけどね(笑)
「あたしの値段はそんなはした金かぁ?!」って感じ。
ともあれ、誘拐された本人が協力してしまうのだから、上手くいかない
はずはないでしょうが、問題は100億というお金をどう現金化するか
そして受け渡しは?という点。
警察と誘拐団の知恵比べ。
しかし、刀自はいったいどうして、誘拐に協力する気になったのか。
上手な”金使い”とは何か?ということも考えさせられる一作。

全編に溢れるユーモアと優しさ。誘拐を扱いながら、誰も傷つかない。
久々にいい本に出会えました。

投稿者 fran : 2007年04月17日 23:12

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