2015年03月05日

64(ロクヨン) 上・下

横山秀夫:著者
文春文庫

「BOOK」データベースより
元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。
記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きた
D県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への
警察庁長官視察が決定する。
だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。

記者クラブとの軋轢、ロクヨンをめぐる刑事部と警務部の全面戦争。
その狭間でD県警が抱える爆弾を突き止めた三上は、
長官視察の本当の目的を知り、己の真を問われる。
そして視察前日、最大の危機に瀕したD県警をさらに揺るがす事件が―。
驚愕、怒涛の展開、感涙の結末。ミステリベスト二冠、
一気読み必至の究極の警察小説。

投稿者 fran : 00:01 | コメント (0)

2009年10月15日

看守眼

横山秀夫:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
刑事になるという夢破れ、留置管理係として
職業人生を閉じようとしている、近藤。
彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。
自叙伝執筆を請け負ったライター。
家裁調停委員を務める主婦。
県警ホームページを管理する警部。
地方紙整理部に身を置く元記者。
県知事の知恵袋を自任する秘書。
あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく
打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。

警察、というか、警察に関わる職業の人たちの短編集。
非常にいいんですけど、横山氏ってつい期待度高く
持っちゃうのよね。
完成度は相変わらず高いです。
この短さでここまで読ませる作品描ける人なんて
そうそういないと思います。
しかも、けっしてヒーローヒロインじゃない。
重圧感、切迫感、危機感、劣等感、焦燥感などが感情移入しやすい
現実味を持って描かれています。

んでも、なんかちょっと物足りないんだなー
横山氏にはちょっと厳しい私(笑)

投稿者 fran : 23:22 | コメント (0)

2009年04月20日

ルパンの消息

横山秀夫:著者
光文社文庫

「BOOK」データベースより
「昭和」という時代が匂い立つ社会派ミステリーの傑作!
平成2年12月、警視庁にもたらされた一本のタレ込み情報。
15年前に自殺として処理された女性教師の墜落死は、
実は殺人事件だった―しかも犯人は、教え子の男子高校生3人だという。
時効まで24時間。事件解明に総力を挙げる捜査陣は、女性教師の死と
絡み合う15年前の「ルパン作戦」に遡っていく。
「ルパン作戦」―3人のツッパリ高校生が決行した破天荒な
期末テスト奪取計画には、時を超えた驚愕の結末が待っていた…。
昭和の日本を震撼させた「三億円事件」までをも取り込んだ
複眼的ミステリーは、まさに横山秀夫の原点。
人気絶頂の著者がデビュー前に書いた“幻の処女作”が、
15年の時を経て、ついにベールを脱いだ。
第9回サントリーミステリー大賞佳作。

投稿者 fran : 01:16 | コメント (0)

2008年09月29日

顔 FACE

横山秀夫:著者
徳間文庫

「BOOK」データベースより
「だから女は使えねぇ!」
鑑識課長の一言に傷つきながら、ひたむきに己の職務に忠実に
立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。
瑞穂が描くのは、犯罪者の心の闇。
追い詰めるのは「顔なき犯人」。
鮮やかなヒロインが活躍する異色のD県警シリーズ。

「陰の季節」で登場人物のひとりだった平間瑞穂を主人公とした
短篇連作。

男社会で女が仕事をしていくのが、どれほど大変か、みたいな
こととか描きたかったのかな。
瑞穂の成長記みたいな感じで、これはこれでいいと思うけど、
でもやっぱり横山氏には、汚くて臭そうなオヤジを描いてて欲しいなぁ(笑)
なんか、ちょっと嘘くさいしね。女性が。

まぁ、婦警さんを主人公にした話はなかなかないと思うので。
鑑識班の似顔絵担当からマスコミ対策本部→テレホン相談室→捜査一課の
刑事、と話ごとに瑞穂の立場が変わっていくのもおもしろい。
それぞれの部署での業務をきちんと描いてあるし。
そして最後はめでたく、昔の鑑識班に戻ることができる。

またどっかで顔出しそうだね。

投稿者 fran : 00:13 | コメント (0)

2008年09月08日

陰の季節

横山秀夫:著者
文春文庫

「BOOK」データベースより
警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する
大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、
ある未解決事件が浮かび上がってきた…。
「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた
第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。

何冊か、まとめ読みしたんですね。古いものを。
だから、ちょっと、たぶん前後考えないで読んだとか、あったらしく
ごちゃごちゃに。

ま、ともあれ。
地味。地味ではあるが、面白い。
人間の感情や、心理が、うなずけちゃうほど、リアルに丁寧に
描かれています。
犯人をおっかける華々しい事件ものではないが、これだって警察。
裏方にあたったスポットは、意外な面白さを浮かびあがらせてくれました。

ま、横山氏でなきゃ、ここまでできないだろうな、というのも、ある。

投稿者 fran : 23:11 | コメント (0)

2008年06月10日

震度0

横山秀夫:著者
朝日文庫

出版社 / 著者からの内容紹介
阪神大震災のさなか、700km離れたN県警本部の警務課長の
不破義人が失踪した。県警の事情に精通し、人望も厚い不破がなぜ
姿を消したのか? 本部長の椎野勝巳をはじめ、椎野と敵対する
キャリア組の冬木警務部長、準キャリアの堀川警備部長、叩き上げの
藤巻刑事部長など、県警幹部の利害と思惑が錯綜する。
ホステス殺し、交通違反のもみ消し、四年前の選挙違反事件なども
絡まり、解決の糸口がなかなか掴めない……。

かなり、賛否両論、分かれているみたいです。
それも仕方がないのかもしれません。
あの阪神淡路大震災を扱っていながら、ただの時間軸にか使って
いないのですから。
しかし、現実的にはそんなものなのかもしれない。
災害の真っただ中にいるならばともかく、ニュースでしか見る事のできない
ものは遠い世界の話、それよりも自分の私利私欲を優先する。
そこをものすごくえぐるように突いていると思うのです。
人間なんてそんなもんだよなぁ。痛い思いを経験しなければ、他人の痛みは
想像できないんだなぁ。

そしてもうひとつ。
著者本人のメッセージで「情報は時として魔物と化す。この小説の
主人公は”情報”かもしれない」とある。
情報にいかに振り回されているか、その悲しいまでの滑稽さを描いた
ところは、秀逸だと思う。

実際にあった災害を引き合いに出す必要はなかったんじゃないか?と
思いつつも、やっぱり横山氏は巧い。

投稿者 fran : 23:52 | コメント (0)

2008年01月25日

臨場

横山秀夫:著者
光文社文庫

「BOOK」データベースより
臨場—警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。
‘終身検視官’の異名を持つ倉石は、他の者たちとは異質の「眼」を
持っていた。‘終身検視官’、死者の人生を救えるか—。
組織と個人、職務と情、警察小説の圧倒的世界。

投稿者 fran : 23:33 | コメント (0)

2007年06月26日

深追い

横山秀夫:著者
新潮文庫

うらがきより
不慮の死を遂げた夫のポケットベルへ、ひたすらメッセージを送信し続ける女。
交通課事故係の秋葉は妖しい匂いに惑い、職務を逸脱してゆく(表題作)。
鑑識係、泥棒刑事、少年係、会計課長……。
三ツ鐘署に勤務する七人の男たちが遭遇した、人生でたった一度の事件。
その日、彼らの眼に映る風景は確かに色を変えた。
骨太な人間ドラマと美しい謎が胸を揺さぶる、不朽の警察小説集。

華々しい(?)刑事ではなく、等身大の警察官を描いた短編集。

敷地内に庁舎、長官舎、職員舎、独身寮と並び、住職一体の息苦しさから
赴任先としては嫌われている三ツ鐘署。
そこに勤務する様々な職種の警察官たち。
子供同士でさえ、上司部下の関係が影響する。
独身であれば上司のおせっかい(親切?)が鬱陶しい。
ただ、そこに住んでいる事をテーマにしてる訳ではない。
あくまでも味付けの一部として描いている。
7つの7人それぞれの人生、完結はしていないが、十分に人間ドラマ。

深追いというより深読みしすぎ?みたいな話もあるが、終わってみれば
それなりに納得できるので、結構おもしろかった。
ちょっと後味苦いですけどね。

投稿者 fran : 23:22 | コメント (0)

2007年03月27日

影踏み

横山秀夫:著者
祥伝社文庫

「BOOK」データベースより
窃盗罪での服役を終え出所した真壁修一(34)が真っ先に足を向けたのは
警察署だった。二年前、自らが捕まった事件の謎を解くために。
あの日忍び込んだ家の女は夫を焼き殺そうとしていた—。
生きている人間を焼き殺す。それは真壁の中で双子の弟・啓二の命を
奪った事件と重なった。十五年前、空き巣を重ねた啓二を道連れに母が
自宅に火を放った。法曹界を目指していた真壁の人生は…。
一人の女性をめぐり業火に消えた双子の弟。残された兄。
三つの魂が絡み合う哀切のハード・サスペンス。

深夜、家に忍び込み盗みを働く「ノビ」といわれる泥棒。
真壁は警察からも同業からも「ノビカベ」と呼ばれ、一目おかれる
プロである。

これまで警察視点で描き続けてきた横山氏ですが、今回は泥棒が主人公。
それだけでもなかなか違和感がありますが、さらに今回は死んだ双子の弟が
成仏しきれず、真壁の耳の中に残っていて、会話しちゃったりするオカルト
SFチックな面もあります。
それなのに、いつも通りオヤジくさいって、どうよ?(笑)

泥棒さんなのに、刑事たちと堂々と取引しちゃったり、いろんなことに
首突っ込んで謎解きしたりしてる全7編からなる連作短篇です。
全体を通して流れるのが、弟・啓二への複雑な感情。
ぶっきらぼうな態度からあふれる愛情。
哀しく切ない話ではあるのだけれども、決してお涙頂戴の陳腐なものでは
ない所が、やっぱり横山氏。

投稿者 fran : 23:14 | コメント (0)

2006年10月30日

真相

横山秀夫:著者
双葉社文庫

うらがきより
犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつの
ドラマがある。
─息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」
選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」
など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。
人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。

いまさらいうことはないっすね。
きっちりツボ押さえて、ぐいぐい読ませます。またも唸らされ。

事件と真相とその後。
刑事ものと違って、事件そのものではなく、その後を描いている。
息子を殺された男の願い。
殺人を隠蔽しようとする男の焦燥。
犯人を目撃してしまった男の迷い。
真実から目を背け逃げた男の心痛。
裁きを受け罪を償い続ける男の叫び。

どれも心理描写が見事です。
けっしてハッピーエンドではなくても、打ちのめされても、なんとか
這い上がろうとあがく様が生きてる人間そのものだなと思います。

投稿者 fran : 23:01 | コメント (0)

2006年08月21日

出口のない海

横山秀夫:著者
講談社文庫

帯あらすじより
甲子園の優勝投手・並木浩二は故障のために、期待された大学野球を
棒に振っていた。完全復活への絶望とともに、「魔球」を完成させると
いう一縷の希望をもって黙々と練習を続ける。そんな並木を見守る家族や
仲間たち、そして恋人の美奈子。
しかし、日米開戦後の戦況悪化、学徒出陣・・・並木もまた海軍へ士官
する。
敗戦直前に、起死回生をはかる海軍がすすめていたのは、最後の秘密兵器
「回天」による最終作戦だった。
発射されるときが死を意味する「回天」に、並木は搭乗をみずから決意
する。なぜなのか・・・
青春の哀しみとは、命の重みとは・・・
横山秀夫が描く「戦争」がここにある。

なんともタイムリーなものをorz
8月に戦争もの読むことほど嫌な事はないわ。8月しか戦争を思い出さない
テレビのおちゃらけにのっちゃったみたいでさ。
えぇ、横山秀夫というだけで買いました(^^;
事前情報ゼロっした。帯にでかでかと戦争って書いてあるのによ(苦笑)

戦争ものです。はい。
「回天」。人間魚雷。神風ってやつです。空からの攻撃が出来なくなったから
今度は海からです。最低ですね。
しかも、飛行機と違って、操縦にかなり知識がいるみたいで、集められた
のは、当時の大学生あたり。学校いってんだから頭いいだろうって。
そうやって、頭のいい学生たちをどんどん殺していったから、日本には
バカしか残らなかったんだ、とはうちの母。言い得て妙だ。
終戦後の政府や軍の上部たちの、あさましい命乞いみてると、つくづく
思いますねぇ。

この話の中で並木は「なぜ死ななければならないのか?」と葛藤します。
先に出陣していった人たちの、悟り切った静かな笑顔を見て、非国民か
臆病者かと悩み苦しむ。そんな並木も次第に波にのまれ、死に行くことが
当然だと思うようになってしまうのです。
しかし、並木は「特攻を当然だと思うのは、そういう風に叩き込まれた
からであり、そこに自分の意志はない」とはっきり言います。
まだ六年生の弟に「お国の為に立派に死んできてください」といわれた
並木。戦争というのは、自国民をいかに洗脳するかにかかっているんだ
ということがよくわかる台詞です。

人間はなんて愚かで弱いのだろうな。
この次世界大戦が起こるとしたら、核戦争なのは間違いないので、
ボタンひとつで地球壊滅で、洗脳する必要もないかもしれんが。

ともあれ。「回天」がどれほどおろかで無意味なものだったか。
静かに泣ける1冊です。

投稿者 fran : 23:10 | コメント (0)

2006年07月03日

クライマーズ・ハイ

横山秀夫:著者
文春文庫

うらがきより
1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を
予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雄が全権デスクに任命される。
一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。
組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは─。
あらゆる場面で己を試され篩にかけられる、著者渾身の傑作長編。

横山氏自身がこの当時、地元群馬の上毛新聞の記者であったことは
有名な話。めっさリアルです。
飛び交う専門用語、どれを取りどれを捨てるかの苦渋、記者たちの動き。
現場を知らないと描けない場面がたぶんたくさんある。
それを抜きにしても。
巧いです。
「生きてる男」をかかせたら、ピカイチでしょうなぁ。
警察もそうだけど、組織に組み込まれている以上、きれいごとだけで
生きてる人間なんかいないってことです。
上っ面だけなぞるような描写がないから、一緒になって怒り、泣き、憤り
笑うことができる。

実はこれ、わりと最近NHKでドラマやってましたね。
再放送なのかなんなのか忘れたけど、半分だけ観たんです。
ちゃんと観てたわけじゃなくて、ながら見で、しかも後半はすっかり
忘れて観てないというやつなんですが、それでも佐藤浩市の悠木和雄が
頭に焼き付いてしまってて。
読みながら、ドラマが脳内再生されてしまい、困った(笑)
ながら見でも結構覚えてるもんだ。つーか、ほとんどそのまんまやんけ。
ちゃんとみとけばよかったなー後悔。

事故そのものの描写はほとんどありません。
あくまでも、未曾有の大事件に遭遇して、メディアとして、どう
伝えて行くか。新聞とは?記者とは?を問いかける人間ドラマです。
そして、子供との距離が上手くはかれない不器用な父親の話でも
あります。

すっかりはまったな。横山氏。

投稿者 fran : 23:42 | コメント (0)

2006年05月15日

動機

横山秀夫:著者
文春文庫

うらがきより
署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か
外部か。男たちの挟持がぶつかりあう表題作ほか、女子高生殺しの
前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。
公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」など珠玉の
四篇を収録。

ドラマ化されてるんですね「動機」。(他のもかな?)
今回は人の心の機微を描き出した短篇集です。
生き残れるか、クビか?
理性か誘惑か?
どうすんだろ?どうなるんだろ?とずっとドキドキしながら読んで
いました(^^;

特に「逆転の夏」は、いきがかりで殺人を犯してしまった男が、出所して
これからはまじめにやって行こうとがんばっているところに、殺人依頼
という突飛な電話を受け、心が揺れ動く、自分を失って行くさまを
細かく描き出しています。
自分は殺したくて殺したんじゃない、もうまっぴらだと最初は相手にも
しないけど、何度も何度も電話はかかってくる。
話だけなら、と聞いているうちに、次第に理性が怪しくなっていく。
さらに、どうやって知ったのか、銀行にお金が振り込まれていく。
一体誰が何の為に?なぜ自分の口座を知っているのか?
なぜ自分なのか?
殺人を犯した者と、殺された者の遺族。理不尽な人生を歩まざるを
得なかった者の悲しみ。いろいろな立場の者の心情を緻密に編んで行く
文章は逸品。

そういったのもうまいなーと思いますです。
個人的には警察の事件簿の方が好きだったりするけどね(爆)

投稿者 fran : 23:25 | コメント (0)

2006年04月05日

第三の時効

横山秀夫:著者
集英社文庫

うらがきより
殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に
仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か?!
刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか
全六篇の連作短篇集。
本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を
貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは
男たちの挟持だ。
大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾。

「半落ち」の横山氏です。
うーん、めっさおもろい!!
警察小説なんてねーと敬遠していましたが、「半落ち」でおや?っと
思って、つい出ていた新刊を買ってしまいました。

いわゆるヒーローものやアクションものの警察じゃないんですよ。
派閥あり、諍いあり、人情もちょびっと(笑)、出世欲ももちろん
部下の仲間割れに頭を抱える上司、連帯あり、裏切りあり・・・
もぅまんま、サラリーマン世界(笑)
そんなかでおもいっきり異色な公安あがりの楠見─とことん冷淡で
頭はずばぬけて切れる─が、小説の世界に引き戻してくれる。
って、なんじゃいといわれそうだが、あまりにも現実生々しくてさ〜
どこかの会社の実録かと(大笑)

F県警の強行犯捜査課の一班から三班のそれぞれが担当する事件を
それぞれの立場で、班内の葛藤も含めて鮮やかに描きだしています。
一癖も二癖もある男たち。
めっさかっくいいです♪
(いや、現実こんなんいたら、ただのおっさんだけどな・笑)

投稿者 fran : 23:19 | コメント (0)

2005年09月21日

半落ち

横山秀夫:著者
講談社文庫

うらがきより
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを
患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、
殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。
梶が完全に”落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている
想いとは・・・

ん〜〜〜〜唸った・・・
確か一昨年あたりのこのミスにランクインしてた記憶が
あったので、文庫化されてすぐ買ってみたが。
一気に読ませてくれやした。
県警の刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務所の
刑務官。それぞれの人間が、章ごとにそれぞれの立場で
話を進めていきます。

アルツハイマーの妻を殺害した現職警察官。
急性骨髄性白血病で亡くなった息子の命日に、墓参りを
済ませたその日のことであった。
妻は墓参りをしたことを忘れて、自分が息子の命日すら
忘れるようになってしまったと思いこみ、「母親として
あの子を覚えているうちに死なせて!」という悲痛な
叫びに、たまらずに殺してしまったと動機を語る梶。
現職警官の殺人事件に震撼する警察。
しかも、梶は殺害から二日後に自首してきて、その二日間に
ついては、黙秘を通す。
組織としての体面を守るために、あらゆる手をつくす幹部たち。
対立する検事との攻防戦。スクープ合戦に勝ち名乗りをあげたい
マスコミの狐と狸の化かし合い。

テーマ自体はアルツハイマーとか、結構重いのですが。
不祥事隠蔽工作の見本のような流れに、ちょっとわくわく。

ただねー。警察官やってたなら、もうちょっとうまく立ち回れたんじゃ
ないかねぇ、梶さん。まぁ、優しすぎた性格に動揺が隠せずなキャラ
なのが話を上手く盛り上げたかもしれないけど。
本当に隠したかったことなら、もっとちゃんとやらなきゃ〜
最後真相が明らかになりますが、ある程度想像がつくことではあるが
あぁ、いいなぁとほっとしたり。
出来すぎた人間ではあるけど、たまにはこういうのもないと。

投稿者 fran : 23:18 | コメント (4)