2008年12月11日

ナイフ

重松清:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト
全員が敵になる。僕たちの世界は、かくも脆いものなのか!
ミキはワニがいるはずの池を、ぼんやりと眺めた。
ダイスケは辛さのあまり、教室で吐いた。
子供を守れない不甲斐なさに、父はナイフをぎゅっと握りしめた。
失われた小さな幸福はきっと取り戻せる。
その闘いは、決して甘くはないけれど。坪田譲治文学賞受賞作。

もぅ重松氏は読みたくないや。

つか、いじめとか、親父の話は避けよう。
うんざりしてきた。

投稿者 fran : 23:51 | コメント (0)

2008年09月24日

きみの友だち

重松清:著者
新潮文庫

うらがきより
わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる――。
足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件が
きっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、
ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。
優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。
それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味を
さがす連作長編。

なるほどねぇ。そういう意味か。
読み終わってから、やっと気がつきましたよ。

なんつーか、いい話ではあるんだが、嫌な話でもある。
読む人間が”どの位置”にいるかで、感想は変わるだろう。

ときどき、重松氏って、人間暴くの上手いな、と思うです。
描く、じゃないです。
暴く、です。

あー
うまく言えないや。
ただ。あたしにとっては、嫌な話、でした。

投稿者 fran : 00:01 | コメント (0)

2007年02月15日

送り火

重松清:著者
文春文庫

うらがきより
「昔の親は、家族の幸せを思うとき、何故か自分自身は勘定に入って
なかったんだよねぇ・・・」
女手ひとつで娘を育てた母は言う。そんな母の苦労を知りつつ反発する
娘が、かつて家族で行った遊園地で若かりし日の両親に出会う。
大切なひとを思い、懸命に生きる人々のありふれた風景。
「親子」「夫婦」のせつない日常を描いた傑作短篇集。

私鉄「富士見線」沿線に住む人たちの悲喜こもごもを描いた短篇集。
それぞれに接点はないけれども、沿線と言うつながりで、まさしく現実の
日常を思わせる。
少々ホラーがかかった話もありますが、根底を流れるのは「家族の絆」。

そして今回は「世にも奇妙な物語」だっけ?あんなかんじのちょっと
不思議系も含まれています。(だからホラー少々・笑)
流星ワゴンと似た感じ。
これが結構気に入ってる作品なので、今回のも楽しく、そしてほろりと
読み終えました。

しかし、重松氏も追っかけるのが大変になってきたなぁ(^^;

投稿者 fran : 23:28 | コメント (0)

2007年01月23日

卒業

重松清:著者
新潮文庫

うらがきより
「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」
ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。
中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。
僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り
始めたのだが─。
悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を
経験する家族を描いた四編。
著者の新たなる原点。

「卒業」とはそういう意味でしたか。唸りました。
子供だった自分が大人になり、親となり、初めて気づく親の気持ち。
そして親の死。
たくさんの思い出とそれをどう乗り越えるか。
人生において避けられないことがテーマであり、家族ものが得意な重松氏
ならではのずっしりくる四編である。

いくつになっても親にとっては子供は子供。子供にとっては親は親。
これはある程度年をとらないとわからないことかもしれない。
重松氏とはそんなに年が変わらないせいか(まぁ年上なこた年上だが)
すんなりと言葉が染み通ってくるんですね。
それもまた年をくったせいだとも思うのだが。

これもきっちり泣けますので電車の中では読まない方かよろしいかも(笑)
特に四作目「追伸」は、反則です!(ボロ泣き)

投稿者 fran : 23:27 | コメント (0)

2006年09月11日

小さき者へ

重松清:著者
新潮文庫

うらがきより
お父さんが初めてビートルズを聴いたのは、今のおまえと同じ歳─十四歳
中学二年生の時だった。いつも爪を噛み、顔はにきびだらけで、わかった
ふりをするおとなが許せなかった。どうしてそれを忘れていたのだろう。
お父さんがやるべきこと、やってはならないことの答えは、こんなに
身近にあったのに・・・
心を閉ざした息子に語りかける表題作ほか、「家族」と「父親」を
問う全六篇。

家族テーマの重松氏、ずっしりとこころに響く短篇集です。
「父親」・・・これほど、不器用で、気難しく、滑稽で愛すべき存在は
ほかにないでしょう。
父親の存在意義とはなんなのか?娘には「キタナい」扱いされ、
息子には「ウザッタイ」と煙たがられ・・・
ともすれば、妻にすら、邪魔扱いされ・・・
でもおとうさんは、子供と一生懸命向き合おうとしてるのです。
家族の為にがんばっているのです。

反抗し、精一杯強がり、上手く言葉にできないもどかしさに苛立つ
その小さき者は、かっての自分の姿。
そこに気がついても、もう「おとなになった」自分は、その時の
視点で見る事ができない。わかるんだ、僕もそうだったんだ、と言っても
子供たちには「わかったふりをするおとな」にしか映らない。
ならば、おとなになった「かっての子供」はどうすればいいのか。
きっと答えはないでしょうね。
いや、人それぞれの数だけ答えはあるのでしょう。

ひとつひとつの短編に答えや結末はないのですが、その分、想像で
よけいにほろりとくる作品。

投稿者 fran : 23:22 | コメント (0)

2006年01月19日

疾走(上・下)

重松清:著者
角川文庫

うらがきより抜粋
広大な干拓地と水平線が広がる町に暮らす中学生のシュウジは
寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族。
教会に顔を出しながら陸上に励むシュウジ。
が、町に一大リゾートの開発計画が持ち上がり、町は大きく
二つにわれ、不穏な空気がただよってくる。
そして、優秀だったはずの兄が犯したある犯罪をきっかけに
シュウジ一家はたちまち苦難の道へと追い込まれる。
犯罪者の弟としてクラスで孤立を深め、やがて一家離散の
憂き目にあったシュウジは、故郷を出て、ひとり東京へ向かう
ことを決意。途中に立ち寄った大阪で地獄のような時を過ごす。
孤独、祈り、暴力、セックス、聖書、殺人─。
人とつながりたい・・・。ただそれだけを胸に煉獄の道のりを
懸命に走り続けた少年の軌跡。
─誰か一緒に生きてください─。

読んでてどんどんつらくなる話です。
救われない。
15歳の少年が背負うにしてはあまりにも過酷で残酷。
優秀すぎる兄ばかりを母親はかわいがり、兄が中心の家庭。
シュウジはいつだって愛されたかった。
もう少し自分に目を向けてもらいたかった。
ひとりではなく誰か一緒に生きて欲しかった。
クラスのいじめも淡々と受け止め、空洞のような目に変わって
いくシュウジは、ただただ、だれかとつながりたかった。

決して自棄になったりはしない、父親が失踪したときも母親が
蒸発したときも、ひとりを受け止めたシュウジの弱さと優しさが
とてもかなしいです。

そして最後の最後まで、かなしいままでした。
こんなことで、満足して救われたなんていわれたらものすごく
憤ってしまうのですけど。

落ち込んでる時には読まない方がいいと思います。

投稿者 fran : 23:28 | コメント (2)

2005年07月28日

きよしこ

重松清:著者
新潮文庫

うらがきより
少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。
どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも
言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる
友達が欲しかった。そんな友達は夢の中の世界にしか
いないことを知っていたけど。
ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は
少年に言った。伝わるよ、きっと—。
大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の
少年小説。

ほんのりほろりとするある少年の話。
白石きよしは吃音の障害をもった少年。
父親の仕事の関係で転校を繰り返していた。
少年時代から大人になるまで、別に障害を克服
しようだとか成長記だとかそんなもんじゃなくて
ただきよし自身の生身を描いたお話。
大人になって物書きになったきよしの回想録みたいな
形で始まります。

吃音のせいで、転校するたびの自己紹介が嫌でたまらない。
自分の名前がうまくいえない。
言いたいことはあるのに言葉にできない。
つっかえずに話ができるのは空想の世界だけ。
でも逃げることはできない。現実は厳しい。
それはきよしの闘いなのです。
たったひとりの闘い。

だから無神経に「吃音なんて気にすることない、堂々と
前を向いていきていけばいい」なんていう大人には、子供
ながらに猛反感をもつわけです。
あたりまえよね。気にしないんだったらアンタも障害者に
なってみれば?言ったことはないけど、よく言いたくなる。
できることが当たり前の人間に、出来ない者の気持ちは
わからない。逆に言えば出来ない者に出来る者の気持ちも
わからないんですが。

さらに。子供って正直な分残酷ですからね。人よりちがう
ところをもったらそれだけでいじめの対象ですからね。
ましてや転校生って、浮くし。
そういったところは、実に淡々と描かれています。
あー、そうだったなーと自分に照らしあわせてみたり。

決して悲観的にならないので、わりと好感もてる物語です。
この手のって、不幸自慢かよ?といいたくなるのが多くて
嫌いなのよね〜。あとやたら「負けない!」みたいな気負い
ばかり強調してるとか。
ここまで淡々と現実的にかかれるほうが、気持ちにぐっと
くる気がします。

投稿者 fran : 21:08 | コメント (0)