2014年01月27日

ジェノサイド(上・下)

高野和明:著者
角川文庫

「BOOK」データベースより
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。
それがすべての発端だった。
創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、
その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた
私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、
そこで何を研究しようとしていたのか。
同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、
難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の
依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。
事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」と
いうことだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、
戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。

投稿者 fran : 00:05 | コメント (0)

2012年03月16日

夢のカルテ

高野和明+阪上仁志:著者
角川文庫

「BOOK」データベースより
銃撃事件に遭遇した麻生刑事は、毎夜の悪夢に
苦しめられていた。心理療法を受けようとした彼は、
来生夢衣というカウンセラーに出会う。
若いが有能な彼女には、ある特殊な能力が秘められていた。
他人の夢の中に入ることができたのだ。
その能力を活かして患者の心を救おうとする夢衣と、
凶悪犯罪に立ち向かう麻生。
二人は次第に惹かれ合っていくが―
幻想的な愛の中に四つの難事件を織り込んだ、
感動のファンタジック・ミステリー。

投稿者 fran : 22:34 | コメント (0)

2010年06月21日

6時間後に君は死ぬ

高野和明:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
6時間後の死を予言された美緒。
他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は
真実なのか。美緒は半信半疑のまま、
殺人者を探し出そうとするが―
刻一刻と迫る運命の瞬間。血も凍るサスペンスから
心温まるファンタジーまで、稀代のストーリー
テラーが卓抜したアイディアで描き出す、
珠玉の連作ミステリー。

久しぶりに作品みました。
短編そのものも初めてですが、まぁ連作なんで
ある意味長編でもあるんでしょが。

結構、楽しめます。
映像的ですね。
まぁ、実際ドラマになってるし。

つか、映画のひとだったんだねぇ、高野氏って。

投稿者 fran : 00:45 | コメント (0)

2007年08月08日

K・Nの悲劇

高野和明:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
若くして成功した夫との新しい生活。だが予期せぬ妊娠に中絶という答を
出した時から、夏樹果波の心に異変が起こり始める。
自分の中に棲みついた別の女—精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。
治療を開始した夫と精神科医の前には想像を絶する事態が待ち受けていた。
乱歩賞作家が描く、愛と戦慄の物語。

なんとも重い話でした。
精神病なのか?ホラーさながらの憑依なのか?
医者は理由をつけることしか考えない。
だが、人智を超えたことが起こらないと誰にいえるのか?
それを中絶という重いテーマにはめて、作ったこの話はすごいと思う。
ちょっと甘すぎるラストですが、まぁいいんじゃないか。
ハッピーエンドにしてもらわなきゃ、救われない。
詰めが甘くてちょっとホッとした、という作品も珍しいかも(苦笑)

うーん、どうにも甲乙つけがたいが、個人的には悪くないと思う。
人というのがどれほど滑稽で哀れで無様な生き物かと思ったら、ね。

意図せず、精神病を扱った話を続けてしまった。
真面目にとるか喜劇にとるか。
こっちの方が現実なんだろうけど。

投稿者 fran : 00:56 | コメント (0)

2007年06月22日

幽霊人命救助隊

高野和明:著者
文春文庫

うらがきより
浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。
老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、
天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。
裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。
地上に戻った彼らが繰り広げる怒濤の救助作戦。

いや、めっちゃおもしろかったです。
これだけの重いテーマを扱いながらも軽快なテンポが和らげてくれ
最後は涙なしでは読めないという・・・

それぞれの理由で自殺してしまった4人。
49日で100人の自殺志願者を救わねばならない。
幽霊となって地上に戻った4人。果たして100人を救えるのか?

簡単に言えばそれだけの話ですが、軽いタッチで描いていながら
人が自殺を考えるその過程、気持ち、精神状態、書き込むべきところは
茶化さずきっちりと書き込まれている。
幽霊なのに、物質通過もできない瞬間移動もできない。ただ人の中に
入りその気持ちを感じ、その心を解明し、語りかけ、死を思い留まらせる。
部屋に閉じ込められて慌てるし、電車や車で移動されたら、タイミングを
合わせて飛びこまきゃならないし、かなり不便な幽霊たち。
(通り抜けもできなきゃ触る事もできないのだ・笑)
時間がたつにつれ、いろんなコツをつかんでいく。
救う人数もテンポよく行くときもあれば、重症者にぶちあたり停滞する
こともある。その人を無事に救えた時の達成感と自信が彼ら自身をも
変えていきます。

これは心理カウンセリングの本としても読めると思う。
とにもかくにも「死を考えたら精神病院に行け!」ですが、そこから
始めなければ意味ないし、初期段階であれば、そして選ぶ病院を間違え
なければ、かなり有効であることを説いている。
ヤブにあたり却って酷くした例も書かれている。
そして、なにより「自分を追いつめるな、無責任になれ」というのが
おもしろいと思いましたね。

特別な能力はない救助隊。
あるのは語りかける言葉のみ。
人を生かすも殺すも言葉。
言葉というのは、本当はとても怖いものです。
そしてとても美しいものでもあります。
わかっていても思うようにはならないですけど。

投稿者 fran : 23:27 | コメント (2)

2006年10月25日

グレイヴディッガー

高野和明:著者
講談社文庫

うらがきより
改心した悪党・八神は骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。
だが、移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は
白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。
首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。
謎の殺戮者、墓堀人(グレイヴディッガー)の正体は?
圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編!

「13階段」の高野氏です。
いやはや、猛スピードで繰り広げられるアクション系とでもいいましょうか。
悪くはないんだが、それだけなら楽しめるのだが、あまりのご都合主義さに
笑ってしまうことも(苦笑)

蘇った死者─グレイヴディッガーが異端審問官を皆殺しにしたという伝説
そのままの、魔女裁判の頃の話が現代に蘇ったかのような殺戮。
「第三種永久死体」という死んだ時そのままの状態で保存されていた死体が
消失した事件との関わりは?

話はどんどん広がり、収集つかなくなるんじゃーと心配になったあたりで
全てが繋がり結末へ、はいいんだが、消化不良も多々あり。
「そこまでする」必然性も感じられない。
別に魔女裁判まねなくても、ふつーに殺してもよいんじゃ?(殺しは
いけませんが^^;)
八神もいくら改心したって、命はってまで移植患者を救おうとする
その気持ちがいまいち弱い。もう少し「そうなんだ!」もしくは
「がんばれ!」という感情移入できるような理由考えて欲しかったな。
迫力はみとめましょう。スリルたっぷりだし。
映像化したら「あぶない刑事」みたいなもんかしら(笑)
というだけで内容がわかっちゃうというものです(ゲラ)

褒めてるんだかけなしてるんだかわからんレビューですが、まぁおもしろ
かったということで。
これはスピード感の勝利、というとこでしょう。

投稿者 fran : 23:30 | コメント (0)

2006年06月26日

13階段

高野和明:著者
講談社文庫

うらがきより
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官
南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。
だが手がかりは、死刑囚の脳裏に蘇った「階段」の記憶のみ。
処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は無実の男の命を
救うことができるのか。
江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

あなたは死刑制度に賛成ですか?反対ですか?
そんなことを考えさせられた作品でした。

人気のない山道で倒れていた樹原。自宅へ帰る途中だった宇津木夫妻は
事故だとすぐに気がつき、救急車を呼ぶ為にすぐ目の前にまで近づいて
いた自宅へと駆け込む。そこで見たものは、無惨な死体となっていた
自分たちの両親の姿だった。
状況から、樹原が犯人として逮捕される。しかし、樹原は事故が
起こる前、4時間ほどの間の記憶を失っていた。
飲み屋で絡まれ、運悪く相手を死亡させてしまった三上。
正当防衛が認められ、2年の実刑ののち釈放される。
刑務官として、2人の死刑に立ち会った南郷。法の下とはいえ、間接的
とはいえ、「殺人」を犯したと苦しむ南郷。
退官を目前にして、罪滅ぼしではないが、冤罪を救いたいという南郷が
目をつけたのが、樹原の事件だった。
南郷は出所したばかりの三上を誘い、樹原は無実だという証拠を探す為に
奔走する。

南郷はいう「罪の内容とそれに対する罰は、あらかじめみんなに
伝えられている。ところが死刑になる奴ってのはな、捕まれば死刑に
なるとわかっていながら敢えてあえてやった連中なのさ」
「あんなやつらがいなくなれば制度があろうがなかろうが、死刑は
行われなくなるんだ。死刑制度を維持してるのは国民でも国家でもなく
他人を殺しまくる犯罪者自身なんだ」(本文P198より抜粋)
殺人を犯しながら、己が死刑になると決まった瞬間、命乞いに
必死になる囚人を目の当たりにしながらも、ボタンをおした南郷。
この台詞には深い苦悩があらわれている。
一体なぜ人は悪いとわかっていることを敢えてやるんだろうか。
動機ではない。そんなものは説明するのにわかりやすくするための、
こじつけにすぎないからだ。
悪いと知っててもやる。人間の性だろうか。
それとも、悪いこととすら、認識しなくなってるのだろうか。

罪を犯したら裁くのはいい。しかし、その死刑執行をするのもまた
人間である。たとえ、誰が押したボタンが囚人を殺したか、わからない
ようになってはいても、平気ではいられないだろう。
そして、死刑執行書にサインしていく関係者及び法務大臣も、言って
しまえば、間接殺人である。
死刑判決がくだっても、実際に執行が行われることが少ないのは、
やはりためらいが大きいのだという話もある。
死刑になるほどの罪を犯した人間は、殺した人、その遺族だけでなく
様々な人間をも苦しませているのである。

とはいえ、遺族はやはり奪われた命の償いは命でと望むだろう。
あっちもこっちもと考えていくと、どうしょうもないジレンマに
陥っていくのだ。これは永遠に答えはでないでしょうな。

まぁ、どうせなら死刑囚にボタン押させれば?
次はアンタだよ、ってね。どうせ既に人を殺してるなら、一人も
二人もかわんないんじゃないかな。
自分が押したボタンの結末は、明日の自分だと思ったら、えらい
恐怖だろうなぁ。喜んでやるヤツいそうだけど・・・

あたしがよく行くブログで、子供が無惨な事件に巻き込まれるたびに
犯人なんかとっとと死刑にしてしまえ!と書いている人がいる。
あたしは、そこまで簡単に言えないなとは思っていたが、この本読んで
ますます、言えなくなった。
賛成か反対か。聞かれても答えられない。

さて、この話。最後のどんでん返しは鮮やかです。
ミステリとしても読み応えたっぷり。
本屋で何度も手に取って止めて、を繰り返した本ですが、買っても
損はなかったなぁと今更後悔。(これは借りたのよ)

投稿者 fran : 22:56 | コメント (3)