2017年10月10日

潮流

今野敏:著者
ハルキ文庫

あらすじ
8月の穏やかな月曜日、東京湾臨海署管内の複合商業施設内で
急病人が出て、救急車の要請があった。
同じ症状で救急搬送される知らせが立て続けに入り、
同じ毒物で三人とも死亡した。彼らにつながりはなく、
共通点も見つからない。テロの可能性も疑う安積。
そこに、犯人らしい人物から臨海署宛てに、
犯行を重ねることを示唆するメールが届く――。
捜査を続けていくなか、安積は過去に臨海署で扱った
事件を調べることになり、四年半前に起きた宮間事件に注目する。
拘留中の宮間は、いまだ無罪を主張しているという。
安積は再捜査を始めようとするが……。

投稿者 fran : 00:42 | コメント (0)

2017年05月10日

自覚〜隠蔽捜査5.5

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、
壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に
助言を求めた(「訓練」)。
関本刑事課長は部下戸高の発砲をめぐり苦悩した。
そこで竜崎の発した一言とは(表題作)。
貝沼副署長、久米地域課長、伊丹刑事部長。
彼らが危機の際に頼りにするのは、信念の警察官僚、
大森署署長竜崎伸也だった―。
七人の警察官の視点で描く最強スピン・オフ短篇集。

投稿者 fran : 01:41 | コメント (0)

2016年09月18日

廉恥

今野敏:著者
幻冬舎文庫

「BOOK」データベースより
警視庁強行犯係・樋口顕のもとに殺人事件の一報が入る。
被害者は、キャバクラ嬢の南田麻里。
彼女は、警察にストーカー被害の相談をしていた。
ストーカーによる犯行だとしたら、警察の責任は免れない。
被疑者の身柄確保に奔走する中、樋口の娘・照美に
ある事件の疑惑が…。
警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアルに描く、
傑作警察小説。

投稿者 fran : 21:29 | コメント (0)

2016年08月24日

捜査組曲

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
お台場のショッピングセンターで、放火との通報が入った。
安積班のメンバーが臨場した時には、警備員がいち早く
消火活動を始めたので一大事にならずに済んだ。
警備員に話を聞いた須田は、何か考え込んでいるようで・・・。
三日後、またしても同じショッピングセンター内で、
強盗未遂事件が起きる――。珍しく須田が、
この事案をやらせてくれと安積に頼むが・・・
(「カデンツァ」より。)
安積班のメンバーをはじめ、強行犯第二係長・相楽、
鑑識係・石倉、安積の直属の上司・榊原がそれぞれの物語を
音楽用語になぞらえて描く、安積班シリーズの最新短篇集、
待望の刊行。

投稿者 fran : 21:08 | コメント (0)

2016年04月10日

宰領〜隠蔽捜査5

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
衆議院議員が行方不明になっている、
伊丹刑事部長にそう告げられた。
牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で
運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと警察に入電が。
発信地が神奈川県内という理由で、警視庁・神奈川県警に
合同捜査が決定。
指揮を命じられたのは一介の署長に過ぎぬ竜崎伸也だった。
反目する二組織、難航する筋読み。
解決の成否は竜崎に委ねられた!

投稿者 fran : 16:45 | コメント (0)

2015年02月03日

晩夏

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから
他殺体が発見された。
遺体が発見された船室には鍵が掛っていて…。
東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、
被害者の身元確認を始める。
一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場での
パーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。
どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、
安積の同期で親友の速水直樹警部補だった―。
安積は速水の無罪を晴らすことができるのか!?
大ベストセラー安積班シリーズ、待望の文庫化。

投稿者 fran : 23:20 | コメント (0)

2014年10月25日

ST 毒物殺人〜警視庁科学特捜班〜

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
連続して発見された2つの変死体から検出されたのは
共通する毒物だった。存続の危機に瀕していたSTが動き出す。
事件の周辺からは新興宗教にも似た奇怪な自己啓発セミナー、
そして有名女子アナの存在が浮かぶ。
土壇場で意外な展開をみせる究極のサスペンス!
最強チーム警察小説シリーズ第2作、新カバー版。

投稿者 fran : 21:11 | コメント (0)

2014年10月20日

ST 化合 エピソード0〜警視庁科学特捜班〜

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
現場は検察の暴走を止められるのか?
エリート検事は殺人事件を異例の陣頭指揮と
鑑識結果の強引な解釈で早期解決を強行する。
疑念を抱く捜査一課の若手・菊川と所轄のベテラン・滝下は
独断で動き始める。
拘束された被疑者が“落ちる”までに二人は証拠を捜し出せるのか!?
「ST警視庁科学特捜班」シリーズ、序章。

投稿者 fran : 21:08 | コメント (0)

2014年05月17日

転迷〜隠蔽捜査4

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。
外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、
担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。
さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、
覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。
次々と襲いかかる難題と試練―
闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。

投稿者 fran : 01:31 | コメント (0)

2013年07月21日

烈日

今野敏:著者
ハルキ文庫

内容紹介
新しく庁舎が建てられた東京湾臨海署の刑事課に、
新たな刑事が配属された。安積班にやって来たのは
水野真帆という鑑識課出身の女性だった。
歪に膨張した水死体を前にしても、怯む事なく
捜査を進める水野。しかし、初任課で同期だった須田は
彼女に対して何か思う所があるらしい。
新顔の女性刑事は、安積班の一員として活躍する事が出来るのか
(「新顔」より)。
安積、村雨、桜井、そして東報新聞社会部の女性記者・山口、そ
れぞれの物語を四季を通じて描く、安積班シリーズ、
待望の文庫化。

投稿者 fran : 00:43 | コメント (0)

2013年06月16日

禁断-横浜みなとみらい署暴対係-

今野敏:著者
徳間文庫

「BOOK」データベースより
横浜・元町で大学生がヘロイン中毒死した。
暴力団・田家川組が事件に関与していると睨んだ
神奈川県警みなとみらい署暴対係警部・諸橋は、
ラテン系の陽気な相棒・城島と事務所を訪ねる。
ハマの用心棒―両親を抗争の巻き添えで失い、
暴力団に対して深い憎悪を抱く諸橋のあだ名だ。
事件を追っていた新聞記者、さらには田家川組の
構成員まで本牧埠頭で殺害され、事件は急展開を見せる。

投稿者 fran : 01:28 | コメント (0)

2013年02月18日

初陣〜隠蔽捜査3.5

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。
彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、
幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が
愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。
ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、
困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に
意見を求める(「冤罪」)。
『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、
スピン・オフ短篇集。

投稿者 fran : 00:29 | コメント (0)

2012年10月10日

ST警視庁科学特捜班

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
多様化する現代犯罪に対応するため新設された
警視庁科学特捜班、略称ST。
繰り返される猟奇事件、捜査陣は典型的な淫楽殺人と
断定したが、STの青山は一人これに異を唱える。
プロファイリングで浮かび上がった犯人像の矛盾、
追い詰められた犯罪者の取った行動とは。
痛快無比エンタテインメントの真骨頂。

投稿者 fran : 20:52 | コメント (0)

2012年08月25日

同期

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
警視庁捜査一課の宇田川は現場で発砲されるが、
突然現れた公安所属の同期の蘇我に救われる。
数日後、蘇我は懲戒免職となり消息不明に。
宇田川は真相を探るが、調べるにつれ謎は深まる。
“同期”は一体何者なのか?
組織の壁に抗い、友を救おうとする刑事の闘いの行方は!?
今野敏警察小説の最高峰がここにある。

投稿者 fran : 21:28 | コメント (0)

2012年04月24日

夕暴雨

今野敏:著者
ハルキ文庫

うらがきより
東京湾臨海署管内で大規模イベントへの爆破予告が
ネット上に流れた。安積警部補率いる班と相楽班は
警戒警備にあたるが、爆破は狂言に終わる。
だが再び、翌週のコミックイベントへの爆破予告が
ネット上に書き込まれた。前回と違う書き込みに、
予告の信憑性を訴える須田刑事。
須田の直感を信じた安積は、警備の拡大を主張するが、
相楽たちの反発をうけてしまう。迫り来るイベント日。
安積班は人々を守ることができるのか? 
異色のコラボが秘められた大好評シリーズ、待望の文庫化。

久々安積班♪
しかし、わろた(^^;
なんでこんなコラボになった?
速水とか所々ぶっとんではいるが、一応地に足がついた
作品だったのが、いっきにマンガになってしまった(笑)

で。このまま、相楽ずっといるんでしょか。
対抗馬、はいいんですが、うるさいんだなこの男(^^;


投稿者 fran : 23:02 | コメント (0)

2012年03月08日

疑心〜隠蔽捜査3

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
アメリカ大統領の訪日が決定。
大森署署長・竜崎伸也警視長は、羽田空港を含む
第二方面警備本部本部長に抜擢された。
やがて日本人がテロを企図しているという情報が入り、
その双肩にさらなる重責がのしかかる。
米シークレットサービスとの摩擦。そして、臨時に
補佐を務める美しい女性キャリア・畠山美奈子へ
抱いてしまった狂おしい恋心。
竜崎は、この難局をいかにして乗り切るのか?―。


超お固い竜崎伸也シリーズ第三弾!

しかも、恋!あの竜さんが恋!!
おまえいくつだよ、と突っ込みたくなるくらい
青春時代な行動や思考に加えて、決着の付け方が
これまた竜崎らしくて、今回ばかりは伊丹に
同情しました(笑)
スピンアウトの隠蔽捜査3.5、早くでろ〜(笑)

投稿者 fran : 22:19 | コメント (0)

2011年05月25日

鬼龍

今野敏:著者
中公文庫

「BOOK」データベースより
高円寺のアパートでつましく暮らす青年・鬼龍浩一。
奈良に本宮をいただく鬼道衆の末裔として、
秘密裏に依頼される「亡者秡い」を請け負っている。
今回頼まれたテレビ局のお秡いも、そうした数ある
依頼の一つのはずだったが…
陰の気うずまく東京で浩一が挑む、最強の亡者とは!?
「秡師・鬼龍光一」の原点となる伝奇エンターテインメント。

投稿者 fran : 01:24 | コメント (0)

2010年03月03日

果断〜隠蔽捜査2

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
長男の不祥事により所轄へ左遷された
竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に
直面する。容疑者は拳銃を所持。
事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが
対立する。異例ながら、彼は自ら指揮を執った。
そして、この事案は解決したはずだったが―。
警視庁第二方面大森署署長・竜崎の新たな闘いが始まる。
山本周五郎賞・日本推理作家協会賞に輝く、本格警察小説。

超お固い竜崎警視長ふたたび!

って、前作読んでることも忘れて、読んでないもんだと
思い込んで、また買いしてしまったやつがいうセリフ
じゃないっすね(^^;
つか、どこに埋もれてるんだかわかんないしー
の前に、てめぇのブログチェックしろよ;;;
自分で自分に突っ込み入れたいくらい、間抜けです(泣)

ともあれ。
SITだのSATだの、野次馬根性むくむくな一作。
所轄の署長に降格されたとはいえ、真っ当すぎるくらい
真っ当な警察官を突き進む竜崎。
多分、理不尽な上司に慣れっこになってしまってたであろう
副署長はじめ各課長とかの、右往左往ぶりが楽しい。

キャリアは本来、こういうのが正しいのじゃないのかなあ。
いや、所轄でも、それを通せる骨のあるのがいれば、、、
とはいえ、長いものには巻かれろ、は、一般企業も同じ
だから、なんとも言いがたいけどね。

投稿者 fran : 00:34 | コメント (0)

2010年02月01日

茶室殺人伝説

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
古都・鎌倉、相山流茶道の家元邸で開かれた茶会は
御曹子婚約発表の場でもあった。
その席で、ある男が胸に包丁を突き立てた死体と
なって発見される。手伝いとして現場にいた小高紅美子は、
家元の次男・秋次郎や県警の安積刑事と流派に隠された
伝承と戦国時代にさかのぼる怨讐を追う。
傑作長編ミステリー。

作者本人も言ってますが、ここに出てくる
「安積刑事」は臨海署の安積警部補じゃないです。
同姓同名の刑事ってことで(笑)
こっちに出てくる安積はもっと口が滑らかだし(笑)

それはさておき。
結構、警察ものミステリーで綺麗に収まっています。
定石通りといってもいいかもしんないです。
しかも、恋愛要素まできっちりと。
火サスでも狙いましたか?的な(大笑)

しかし、茶人に関する云々、最近どっかであったよなぁと
思ったら、ドラマ「相棒」でした(^^;
正月スペシャルっすね。ちょうどその直後くらいに読んだので
でじゃぶっ(笑)な感覚でしたよ。はい。
(で、なんで感想が今頃?という突っ込みはしないように)

相棒では千利休でしたが、要するにそんな昔から、しがらみに
縛り付けられなきゃならんのか、みたいな。
それがあってこその由緒、なのだとか。
守らなくちゃいけない、だとか。
窮屈だけども、美しいです。

作者の今野氏は武人だけども、きっと、だからこその侘び寂びを
心得ているんじゃないかとも思いました。
ミステリとしては型はまりかもしれないけど、いい話でした。

投稿者 fran : 00:25 | コメント (0)

2009年12月20日

最前線

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京・お台場のテレビ局に出演予定の香港映画スターへ、
暗殺予告が届いた。東京湾臨海署の安積警部補らは、
スターの警備に駆り出されることになった。
だが、管内では、不審船の密航者が行方不明になるという
事件も発生。
安積たち強行犯係は、双方の案件を追うことになる。
やがて、付近の海岸から濡れたウェットスーツが発見され、
密航者が暗殺犯の可能性が―。
安積たちは、暗殺を阻止できるのか。
(「暗殺予告」より)

思わずにやりとしてしまう、連携プレー話である。
水上署と臨海署警備部のバックアップにじーんときてる
安積がかわいい(爆)
自分の部下だけでなく、よその部署、よその所轄、それを
いかにうまく味方につけるか。
勝負の鍵はここにある、、、といいたいとこだけど
安積は勝手に人を引きつけちゃうから(笑)
でも、相変わらず本庁とは対立しまくり。
あの警備課長、一生逆恨みするだろな(笑)

「私は、どうしても大人になりきれないところがある」
速水はほくそえむと言った。
「わかってるさ、ハンチョウ。それがおまえさんのいいところだ」
「おまえは嫌なやつだな」
「わかってる。それが俺のいいところだ」


今日は面倒な事件が起きなければいいが。
久しぶりに娘の涼子と食事の約束をしている安積は祈るような
気持ちだった。
しかし、発砲事件がありその犯人が立てこもったという。
一応は犯人は逮捕でき、人質となっていた青年も無事に
救い出すのだが、犯人と被害者には、ある因縁があった。
(「被害者」より)

この話に安積・涼子親子を絡ませるのが憎い演出だというべきか。
法は完全ではない。正義もひとつではない。
しかし、社会の秩序は守らねばならない。
安積は親であると同時に警察官であることを、改めて
思いしらされる話です。
しかし、いい娘だよなぁ。
そんでもって、いい部下たちだ。

「誰かが言ってた。子供は父親の背中を見て育つんだって。
お父さんは、あたしに確かな生き様を見せてくれた。
一番大切な父親の役目を果たしてくれているんだよ。」


梅雨時の長雨。誰もが不快感に苛ついていた。
ベテランの鑑識に突っかかった若い刑事も、
速水に心ない言葉を投げつけてしまった安積も…
そんな時、須田が、ゆりかもめ車内で起きた傷害沙汰を
現行犯で連行してきた。
同時に、その事件の被害者が別件の殺人事件での指名手配犯
だということが判明する。
(「梅雨晴れ」より)

人間、不快指数が高けりゃ誰だってイライラしますね。
安積だって例外じゃない。結構うだうだ悩んだり勘ぐったり
普段から決して明るいとは言えないけど、今回は速水に
「傷つくな」と言われて、さらに暗く落ち込んじゃってます。
で、自分でちゃんと、解決しちゃいますけど(笑)
ラストの雨上がりの晴れ間が清々しく繋がる一作。

「ハンチョウ」
速水はにやにや笑いながら、言った。
「俺があんなことを気にするほどケツの穴の小さな
人間だと思うか?」
「おまえが気にするかどうかが問題なんじゃない。
俺が、あんなことを言ったことが問題なんだ」


東京湾に浮かんだ死体に捜査本部が立った。
身元が割れ、入水前に死んでいたことから、発見場所の
臨海署ではなく、被害者在住の足立区竹の塚署になった。
そこにかり出された、安積・村雨・桜井の3人はかっての
仲間だった大橋と再会する。
竹の塚署の刑事となっていた大橋と組んだ桜井は、昔と
あまりに変わってしまった大橋に戸惑うばかりだった。
(「最前線」より)

いつの間にか姿を消していた大橋のその後の話。
この場合の「変わってしまった」はすっごくいい意味で、です。
かっての大橋は、無口で表情も閉ざし、安積が心配するくらい
村雨に従順なだけだったのですが、ここでは立派な一人前の
刑事の風格を漂わせていました。
そして、すばらしく優秀な刑事に育っていたようです。
刑事という仕事は、こういうものなんだ、と改めて教えてくれる。
そして、今「最前線」と言われる恐ろしく忙しい所轄のひとつで
やっていけてるのは、村雨のおかげだと言う。
村雨ファンには、最高の一作なんじゃないでしょうか。

「おまえムラチョウと組んでるんだろう?
あの人は損な人でな。いっしょにいるときは、
絶対に感謝されない。
だが、離れてみるとありがたみがわかるんだ」


海からの風が冷たくなった十一月、その男はやってきた。
アンディ・ウッド、ロサンゼルス警察の捜査官。
臨海署管内に浮かんだ白人の射殺死体に関して派遣されて
きたという。
一匹狼で単独行動ばかりのウッドに手を焼く安積。
ウッドは銃を使わない日本の警察のやり方に不満を
爆発させるが…
(「射殺」より)

これ、ドラマで使ったエピソードだな。大筋はだいたい
一緒だった。めずらしく(笑)
アメリカと日本の違いというより、アメリカにだって
こんな単独行動するバカいないだろ(苦笑)
銃を頼りに一人で犯罪と戦うウッド。
何よりも頼りにする仲間と共に犯罪と戦う安積。
ウッドは安積から信頼という意味を教えられます。

しかし、速水、やりすぎ(相変わらず・笑)
珍しい白バイ姿。
しかも、やることがウイリーときた。
安積は相変わらず、緊張で吐きそうになってるのに(大笑)

「ハンチョウ、見事な射撃だったな」
安積は言った。
「おまえこそ、よくあんな思い切ったことができたもんだ」
「交機隊は、無敵だからな。アメリカの殺し屋ごとき、
どうってことない」
安積はあきれてかぶりを振った


品川署に立った捜査本部にかり出されることになった安積。
そこで、かって自分と組んで指導教育をしてくれていた
先輩刑事の三国と再会した。
もうじき定年だという三国は、階級が安積より下のままだった。
複雑な思いを抱えながら、捜査は進んでいくが・・・
(「夕映え」より)

このシリーズ通してよくでてくるのが、この警察官の
階級だけど、刑事になることは、出世を諦めることだと
いう台詞もよくでてきます。
けど、叩き上げでも管理官まで行く人もいるし。
まぁ、そもそも刑事を目指すのは、現場に出たい人という
図式もあるみたいで。
それでも、先輩だった人を追い越してしまったら、居心地
悪いんでしょうね。
そんなことをうじうじ考えるのも、安積という男。
なんというか、生き難い人だねぇ(笑)
この捜査本部主任の池谷管理官は、三国と同期だけど
完全に下っ端扱いしてるのに。つか、これが当たり前。
結構シビアな世界。

で、うじうじしてるけど、一応は割り切って、最後には
先輩に餞をしちゃうのだから、面倒くさい男だともいえる(爆)
あ、そうそう、これに関して、村雨についポロっちゃう会話、
思わずにやけます(笑)

ま、そんなこんないろんな人の思いを詰め込んで、
タイトル通り、一抹の寂しさと穏やかさを感じさせる、
いい話だと思います。

「おまえさん、いい刑事になったな」
「は・・・?」
「部下を見りゃわかるよ。あいつら、おまえさんのことを
露ほども疑っていない」
「そりゃそうです」安積は言った。
「私の師匠がよかったですからね」

投稿者 fran : 23:24 | コメント (0)

2009年12月14日

陰陽【祓師・鬼龍光一】

今野敏:著者
中公文庫

「BOOK」データベースより
若い女性を陵辱のうえ惨殺する異常な事件が
東京の各所で発生した。捜査にかりだされた
警視庁の富野は、現場に毎度現れる黒ずくめの
人物に気づく。その男の名は、鬼龍光一。
「祓師」という怪しい肩書きに警戒する富野だが、
いつの間にか絶妙な協力関係で事件の真相へ
迫ることになる。
警察小説と伝奇小説が合体した、今野敏ならではの
エンターテインメントシリーズ第一弾。

火曜サスペンス向けといったとこですかね。
がちがちに警察小説にしちゃうんじゃなくて
陰陽師みたいな非現実も取り入れて、だからと
いって怪しげな話になるかといえば、むしろ現実的で。

かるーく楽しんで読めるんじゃないかと思います。
エンターテインメントですね、まさしく。

シリーズいうから、一応追っかけてみます。

投稿者 fran : 00:29 | コメント (0)

2009年11月18日

陽炎

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京湾にまたがるレインボーブリッジで、
乗り捨てられている車が発見された。
乗用車には、男女の連名で遺書らしきものが
遺されていた。
東京湾臨海署・刑事課強行犯係の安積警部補は、
指令を受け、部下の須田と黒木を現場に向かわせる。
果たして、追い込まれた男女の心中事件なのか?
だが、現場から戻った須田刑事からは、『偽装心中』
という意外な言葉が―。
須田の仮説を信じる安積たちは、謎に包まれた事件の
真相に辿り着けるのか!?(「偽装」より)。
表題作を始めとする八編を収録した、大好評
新ベイエリア署シリーズ待望の刊行。

新ベイエリア署シリーズ第2弾。
ここから副題に「東京湾臨海署安積班」とつく。
やっと腰が据わったか、という感じ(笑)

えー、短編集ですね。
あまり目立たないというか、描かれていない黒木も
準主役くらいには出してもらえてる作品もあります(笑)
いやほんと、桜井は時々だしてもらえるのに、黒木って
すんごい一瞬活躍のみで、あんまり語ってもらえない。
超無口だし。


レインボーブリッジの車乗り捨ての案件で須田と黒木が
現場に出ている最中にやってきた速水がもちこんだ
須田の噂話。太り過ぎで冴えない風貌の須田が、女連れで
ホテルのラウンジでお茶を飲んでいたという。
その理由は、安積が須田に直接尋ねることで事情がわかったが
それと事件案件の『偽装心中』の心情が奇妙にシンクロする。
(「偽装」より)

警察官の結婚は、一般が思ってる以上に重大らしい(笑)
まぁ、そうだろうな。おおよそ一人でいたほうが気が楽なんじゃ
ないかと思うほどの、プライベートなしな激務だもんなぁ。
で、安積は離婚しちゃってるから、こういうのは苦手なんだけど
とかいいながらも、自分の部下のことですから、もしも、なら
なんとかして、とか思っちゃうみたいですね。
残念ながらそういう話にはならんのですが、レインボーブリッジの
心中?事件と、須田の件が、もちろん須田側だけの気持ちなんですが
なんつーか、切ないシンクロで。
速水も自分の部下じゃないのに、須田のことをすごくよくわかってる。
つーか、興味津々すぎ(笑)

「世の中の女は見る目がない。須田、俺が女ならおまえを伴侶に
選ぶのも悪くないと考えるだろう」
「速水さんが女だったら、俺、絶対に嫌だな」


路上発砲事件で聞き込みに回り、疲れきって寮に帰ってきた須田と
黒木を待ち構えていたのは、出世も結婚も諦め、後輩に嫌がらせを
して楽しむことで鬱憤ばらしをする中園。
須田は一応寮の執行部委員長で、注意はするのだが、中園は聞く耳
もたない。
やがてふたりが抱えている発砲事件に動きがあり。。。
(「待機寮」より)

初めて黒木が語られてるっぽい作。だって、これだってどっちか
いうと須田じゃん。
黒木はすごく須田を理解してて尊敬もしてて、だから、中園の
無理難題とか、須田に害が及ばないように、盾になってるというか。
しかも、本能なのかなんなのか中園までかばっちゃうし。
結局は中園も、そんな一途な黒木に折れるわけだけど。
先輩とか後輩とか関係なく、お互いに尊敬し合う須田と黒木。

「いい後輩を持ったな」
「え・・・?黒木のことですか?
いえ、こいつは後輩じゃありません。俺の相方ですよ」


少女のレイプ事件。
その話を聞いたとき、須田と村雨の反応は対照的だった。
須田はあからさまに悲しげな表情になり、村雨は他の事件と
変わりはないという態度で聞いていた。
その案件に村雨を指名した安積だが、「須田と一緒に行かせて
欲しい」という申し出にびっくりする。
レイプ事件ということで、少年犯罪を感じ取った速水が
割り込んできて、その話を聞き、あのふたりならば独自の
アプローチを心得ているから、それぞれにいい結果を
持ち帰ってくるだろう、という。
そしてその通り、事件は意外な方向へ向かう。
(「アプローチ」より)

結構いい話です。いや、事件そのものはちょっとね。
須田と村雨。全く正反対なふたり。
安積はどちらかというと須田寄り、村雨は鼻につく、杓子定規
ということで、一言でいえば苦手。
でも、いなければ困るし頼りにもしている。
そんな自分の態度が、ふたりに亀裂を生むんじゃないかと悩む。
その考え過ぎを一蹴するのが速水(笑)
実際、お互い褒め合っていたりするし。
安積班の結束ぶりがよくわかるかと。
速水の必要以上の関わりっぷりも(笑)

「村雨は事実を掌握し、須田は心を掌握する」
「おまえは、私の部下をよく観察しているようだな。
私の代わりに刑事課に来るか?」
「冗談だろう。デカなんてまっぴらだ」


深夜にゲームセンターで喧嘩をしていた少年二人の
事情聴取を担当した村雨。
事件にするほどのことではなく、説教して終わりであった。
明け方、村雨は奇妙な夢を見た。
署にやって来ても夢の印象が尾を引いている感じだった。
そんな中、いわゆるオヤジ狩りの強盗傷害事件を担当し・・・
(「予知夢」より)

村雨に超現象(笑)いちばん似合わなそうな(笑)
思わず相談しちゃう相手が須田ってのも、いい。
こんなこと係長にいえないとか、おまえのようにはできないとか
須田にはちゃんと弱み見せるんだなぁと、意外な一面(笑)
でも、いくら奇妙な気がしたからって、夢をまともに取り合って
真面目に相談して、須田も真面目に取り上げて、事件解決に
結びつくって、言ってしまえば夢オチよねぇ。
もっとも、ごたごた言わせないだけの説得力はありますが。
最後に須田がバラしちゃうけど(笑)

「何の話かよくわからんが・・・」
安積係長が、戸惑ったような表情で言った。
「村雨、おまえを信用してよかった」
それは、そっけないような言い方だったが、
村雨は充分報われた思いだった。


夜明け前の海浜公園で見つかった死体。
安積たちは駆けつけ、本庁との合同捜査本部がたつことを
確認した時、遺体の側に立つ見たことのない人物に
違和感を覚えた。殺された人間のいる現場という場面に
あまりにそぐわない態度と容姿。
それはSTー科学捜査研究所特捜班の青山だった。
(「科学捜査」より)

どうやら。
別シリーズでSTものがあるんですが、そこの人みたいですね。
読んでみようかどうか迷ってるシリーズなんですけど。。。
出張宣伝の効果はあるかもしれん(笑)
でもって、逆にSTにハンチョウが出てるのもあるかもしれん(笑)
気が向いたら手をだしてみます。
安積班以上にハマったらどうしよう(苦笑)

ま、それはさておき。
科学捜査というけど、心理学者よねぇ。
プロファイリングよりもっと突っ込んでるあたりが、科学捜査と
いうのかなぁ?どうも科学と心理学が結び付かないもんで。
読め?うーん(笑)
で、なんと今回村雨とあの相楽がペアに。
絶妙な組み合わせだと思う安積は、青山と組まされるが(笑)
情報から事実を拾いだしていく青山に、安積や須田、反目してた
村雨まで、呆然としつつも認めざるを得なくなっていくのが
おもしろい。
いや、すげーおもしろいやつだというのはわかった(笑)
さらに、ハンチョウをべた褒めした。いいやつだ(そっちかよ)

「常に周囲を観察していて、誰が何を考えているかを把握
している。だから、あの眼つきの悪い部長刑事さんも、太った
部長刑事さんも係長のことを信頼しているんだ。」


麻薬の取引現場で張り込みをする安積班と速水。
張り込みをしながら、須田は2組のカップルの話を
耳に入れていた。
やがて売人が現れ、捕物が始まったが・・・
(「張り込み」より)

すんごい短い話ですけど。いい話だと思います。
これも須田がいい味出してる。
捕物はおまけ(笑)つか、きゃんきゃん喚いてた本庁、
厳重に配備してたのに、売人にはあっさり逃げられ
それも人質取られで、それをほいっとお縄にしちゃったのが
速水軍団であり、安積班であり。
人情話に近いものはありますが、見せ場は相変わらず(笑)

「臨海1だって?おい、みんな、ヘッドが刑事のマークIIに
乗ってるぞ」
安積は思わず速水の顔を見ていた。速水は前方を見つめたまま、
にやりと笑った。
「マル対のBMWには人質が乗っている。丁寧にお迎えしろ」


本庁の国際薬物対策室主導の事案に助っ人として駆り出される
安積と須田。
マル対は香港マフィアのエイク・チャンとコロンビアの
コカイン・カルテルの一員でラモン・ヘルナンデス。
世界一安全な街・トウキョウ、と、なめきってる香港マフィアを
日本の警察は果たして捕えることが出来るのか…
(「トウキョウ・コネクション」より)

安積・須田・速水、またもや大活躍。
違うと思ったら、規律違反も平気でやっちゃうのが安積。
しかし、須田のやることなすこと、ことごとくビンゴって
ここまでくると出来過ぎな気もするけどさ。
ま、なんにせよ、安積の活躍は、須田のおかげです(笑)

でも、速水が、銃を持ってると分かりきってる車に平然と
幅寄せするわ、ドリフトで前を塞ぐわ、完全に無敵の
ヒーロー風なのに対し、安積は、撃たれるかもしれないと
思ったら腰が浮くような恐怖を覚えたり、応援が駆けつけた途端、
恐怖と緊張がどっとやってきてもどしそうになってたり、と
完全に普通のおっさん(笑)
えぇ、どっちも好きですけど(笑)

「気をつけろ」安積は言った。「撃ってくるかもしれない」
「おまえこそ、姿勢を低くしていろ」
「運転手のおまえが撃たれたら、私も死ぬことになる」
「心配するな。おまえと心中などしたくない」


僕はただ気晴らしに台場に来てみただけだった。
海が見たい。唐突に思いついただけだった。
それなのに、立ちションをしたら、そこで女の子が
水着を着替えてて、覗きと騒がれた。
あせって逃げ出し、横断歩道を渡ろうとしたら
車が急ブレーキをかけ、後続車がそれにぶつかった。
自分が飛び出したから?!
さらに老人とぶつかり転ばせ、店のワゴンをひっくり返し…
罪を重ね続けてると焦り、ヤケになった康太は、
女の子を人質にビルの屋上に上った。
(「陽炎」より)

康太という少年の視点で描かれた物語。
受験に失敗し、予備校生となった康太は、ささいな
ことでも受験に響くと思っている。
それなのに、覗きだ事故誘発だ器物損壊だと、罪を重ねて
しまっていると思い込んで、もうダメだとヤケになってしまう。
夏の暑さも正常な思考回路を保てなかったのかもしれない。
そこに現れる安積のかっこいいこと(笑)
安積としては、実は事実関係がさっぱり分からず、とにかく
なにがあったのか、まず調べろと村雨や須田に命じます。
だよなぁ。通報をそのまま鵜呑みにする警察官はいないよなぁ。
だから、しごくまっとうなことをやってるだけなんですけど
なんか妙に感動しちゃうのは、シチュエーションのせいか(笑)
それと、新ベイエリアシリーズになってから時々描かれる安積の
「包み込むような声や口調」が、際立っているようです。
この話、この短編集のなかで一番気に入ってます。

「何かあったら、力になろう。連絡してくれ」
この人は本当に力になってくれる。
安積の口調にはそう思わせる強さがあった。

投稿者 fran : 00:19 | コメント (0)

2009年10月08日

残照

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京・台場で少年たちのグループの抗争があり、
一人が刃物で背中を刺され死亡する事件が起きた。
直後に現場で目撃された車から、運転者の風間智也に
容疑がかけられた。
東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補は、
交通機動隊の速水警部補とともに風間を追うが、
彼の容疑を否定する速水の言葉に、捜査方針への疑問を
感じ始める。
やがて、二人の前に、首都高最速の伝説を持つ風間の
スカイラインが姿を現すが…。
興奮の高速バトルと刑事たちの誇りを描く、傑作警察小説。

神南署から復活した臨海署へまたもそっくりそのまま
移った安積班、新ベイエリア分署シリーズと名付けられた
第一作。
すいません、つっこんでいいですか?
ここでいうベイエリア署こと東京湾臨海署って、もともと
本庁の交通機動隊の分駐署という設定でしょ。
臨海署はなくなっても分駐署はそのままだったわけなんだから
本庁の交機隊だった速水まで神南署に移る必要あったのかなぁ。
サザエさんワールドと化してるこの作品に、いうだけ野暮って
もんでしょうけど(大笑)

ま、それはともかく。
臨海署復帰第一作が、速水主役だとはびっくりだ。
派手な高速バトルに峠バトル。
カーチェイス大好き人間には大興奮だわ(笑)
しかも、おもしろいことに、安積の一人称で話が進む(笑)
シリーズ、これだけだね一人称なのは。

この速水の少年犯罪に対する態度、すごく考えさせられる。
たぶん、警察官としては正しいとはいえないと思う。
この話でいうなら、走り屋、マル走というが、要するに
高速でスピードや危険走行を楽しんでるガキども。
すんごい考え方はバカだし子供だし、どうしようもないんだ
けども、速水は決して手加減しないし本気で向かい合う。
子供相手に大人が本気で向かったら、敵う訳がない。
それを体で叩き込んでる感じ。

風間という少年も、命をかけてスピードを楽しんでいるし
峠バトルのような駆け引きも本気で命をかける。
実際一歩間違えたら、待ってるのは死だけ。
自分を抜けないのは、命かけてないからだとも言い切る。
それが伝説を作っている。

けれども、速水は警察官です。プロです。
自分の気分や体調に関わりなく、仕事ですから、常に体張って
います。今日は気が乗らないからやーめた、というわけには
いかないのです。
そして、どんな相手でも、やり方は変えない。
そういうところが、内外関わらず一目置かれてる。

「相手がどんなワルでも、どんな札付きでも戦いはフェアにやる。
でなければ、相手はこっちの言うことはきかない」

速水のこういう考え方、行動、全てが、安積には理解はできても
非現実だと言わざるを得ない。
でも、速水にとっては、それが現実。
同じ警察官であっても、対象が違うとこうも考え方に違いが出る
ものなのか、という面白さ。
今回はその速水の側に分があり、安積を始め、捜査本部全体が
引きずり回されているというか。
そのあたりが見所です(笑)

でもどんなに型破りでも、速水は立派な、最高に優秀な警察官。
それは、確か。
さらに、実は安積だって速水に負けず劣らずな、ありえない
警察官であり、大人になりきれない大人なのです。
そんなふたりの魅力凝縮、な一作ですね。

今回、速水は、捜査本部に吸い上げられたにも関わらず、
交機隊の制服は脱ぎませんでした(笑)
だから相棒に組んだ安積は、常にパトカーの助手席に。
高速カーチェイス、峠バトル、と腹が冷えきる経験を
させられたにも関わらず、スープラパトカーの助手席が
気に入ってしまったそうだ(笑)
くそうらやましいぜ!!(大笑)

今回も相楽との対立があるんですが、今回はなんと
須田が相楽の相棒を務めます。
安積と須田と相楽の対比も楽しめます。
一番楽しんでるのは速水ですけどね(笑)
きっと須田も楽しんでいたんじゃないかと思います。
転んでもただじゃ起きない男、あの相楽をも閉口
させる男・須田(笑)
そして、臨海署強行犯係の連係プレーの見事さ。
速水の「本当にダメな上司なら部下は助けたりはしない」
という言葉通り、見事な援護射撃で安積の窮地を救います。
どうしても、速水の派手なスタンドプレーの前には地味に
なってしまうけど、縁の下の力持ち的な、頼もしい存在
なのです。

ちなみに。
峠バトルとはなんぞや?という方の為に(笑)

「風間」がいた(大笑)
こういうのって、ちゃんと届けだして、通行止めにして、
危険のないようにしてやってるわけだよね。
けど、全く普通の、一般車だらけの対向車だって当たり前の
山道でやるっつーのは。。。
乗るなよ警察(爆)
絶対、対向車がビビって谷底だってば。
つか、車って、よこにすべらすもんじゃないとおもいます(笑)
高速で、車が横に飛んでるのはみたことあるけどさ。
目の前に飛んでこられたら、ほんと焦るよ。

投稿者 fran : 00:53 | コメント (0)

2009年10月07日

警視庁神南署

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京・渋谷で銀行員が少年数人に襲われ、金を奪われる
事件が起きた。
新設されて間もない神南署の安積警部補たちは、
男の訴えにより捜査を開始した。だが、数日後、
銀行員は告訴を取り下げてしまう。
一体何があったのか?
そして今度は複数の少年が何者かに襲われる事件が…。
二つの事件を不審に感じた刑事たちが、巧妙に仕組まれた
犯罪に立ち向う!
ベイエリア分署シリーズの続編、待望の文庫化。

こちらが本編神南署安積班のシリーズ。
東京ベイエリア分署シリーズからの続編です。
つーても、これと、以前にレビューのせちゃった
「神南署安積班」の2冊で終わっちゃうんですけど。

しかしこの薄さで、内容てんこもりです。
「蓬萊」や「イコン」が番外編というのも、そっちは
事件に関することを、めちゃ専門的に掘り下げていて
その記述がやたら細かくてあの分厚さになるわけで。
本編は、事件そのものよりも、人間を描くことに重点を
置かれているのです。
だから、安積はいつも自分の部下たちが自分をどう思って
いるかとかが、すんごい気になっている(笑)
気になってるけど絶対表には出さないので、はたからみたら
どっしり構えてる上司、なんです。
このギャップがおもしろい。

オヤジ狩りからやくざの殺害事件まで、一見なんのつながりも
ないようであって、綿密に練られたプロット。
本当に、捜査のライブをみてるように、事件そのものは
地道に進んでいく。
さらに、刑事の視点からだけでなく、巻き込まれた側からの
視点もあり、警察の台所事情な視点もあり、多角的に立体的に
物事がとらえられるようになっている。
ほんと、なかなか核心がつかめないんだよね。
外堀埋める土が多すぎなんじゃ、と思うのだが、次第にその
全てが収束していく様は、巧いなぁと思うのです。

この安積班シリーズを通して、多いのが少年犯罪と芸能関係。
特に、少年、若者に対して、すんごいストレートに厳しいんだけど
すんごい優しさを感じる。
それは速水の言動にも反映されてると思う。
その本領発揮はまた次の話になるんだけど、今回も捜査本部に
吸い上げられて、ぶーぶー言ってたから(笑)
オヤジ狩り=少年なんで(笑)

今回、ぷっつんきちゃった村雨がかっこいいわぁ(笑)
本庁の若いのと組んでるが、あまりの役の立たなさに
思わずぶち切れ。それでも一番の獲物を持ち帰り、さらに
チェックメイトの強烈な援護射撃を放つ。

「おまえは、自分のやったことがどれくらいの手柄か
わかってないのか?」
「係長の下にいるんだ。これくらいのことはやりますよ」

か、かっこいい、、、(笑)

速水は枠から外れたかっこよさだけど、村雨や須田は枠に
はまったかっこよさなんだよね。
いや、須田も枠にははまってないか、、、ある意味一番(笑)
このあたりから、須田は個人的に安積のブレーン的な立ち位置を
確保しだしてる気がしますね。
こっそりとした相談が多くなってきたというか。
なので、キャラの設定がこのあたりでしっかりしてきたとも
見受けられます。

で、今、こいつの後の「神南署安積班」を読み返すと、当時は
分からなかった面がすごくみえてくるんですね。
「神南署安積班」は短編集だし、読んでても全然シリーズものの
途中というような違和感はないのですけど、やっぱりこれまでを
知ってて読むのと知らないで読むのは、違うんだなぁと
しみじみ思ったです。
一番は多分会話。すごく突き放した言い方をすることが多い。
なんかそれ、冷たすぎない?みたいな。
で、安積の、毎回同じなんだけど、部下への評価というか、
村雨が杓子定規だとか須田は刑事らしくないとか、そういう
のがあるもんだから、仲いいの?悪いの?みたいな、、、
今じゃそれ、一種の儀式だもんね(大笑)
ハゲるよ、ハンチョウ、と突っ込みながら読む(笑)
そして、なんで安積がこれほどまでに野村さんに欲しがられて
いるのか、理解できたんですね〜。
いやはや、面倒くさい作品だ(笑)

投稿者 fran : 23:38 | コメント (0)

2009年10月06日

ICONーイコンー

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
マニアを熱狂させるバーチャル・アイドル、有森恵美。
主役が登場しない奇妙なライブで、少年が刺殺された。
警視庁生活安全部少年課の宇津木真は、仮想現実の世界で
生まれたリアルな殺意の真相を探る。
電脳メディアに宿る、現代の「聖画」とは!?
若者たちの神々は降臨するのか…。傑作長編ミステリー。

「蓬萊」に続く神南署安積班の番外編の立ち位置な一作。
ここでは安積や速水と同期の安全部少年課の宇津木警部補が
一応の主役的存在。っていうか、ナビゲータかな。
オイシイところは安積と速水がさらってますから(笑)

それにしても1995年初出、この当時にパソコン通信だの
バーチャル・アイドルだの、おおよそ戸惑う人の方が
多かっただろうに。
あたしがパソコンを持ったのがちょうどそのあたり。
あたしは最初からmacユーザなんで、初めてのパソコンは
パフォーマという一体型に、漢字talkというOSで、容量
なんて16Mとかそんなもんじゃなかった?
Winは95すらなかった時だなぁ。
モデムでパソ通もやってましたなぁ。なつかしい(笑)
んでも、もし当時にこの話読んだとしても、きっと理解
出来なかっただろうと思う。

たった15年なんですよ。あれから。

ということで、多少古い感じはあるにせよ、十分に読み応えは
あります。十分通じます。
なので、相当完成度が高い作品といえるんじゃないでしょうかね。

パソコン通信から生まれたアイドル・有森恵美。
その本人が登場しないライブイベント。そこで起こる殺人事件。
犯人は捕まらず、もみ合いの中での突発的な事故といったんは
判断される。
しかし、続く有森のイベントでまた少年が殺害される。
それは最初に殺害された少年の友人であった。
連続殺人事件として、捜査が始まったが、「仮想現実」という
慣れない世界を相手に、安積たち捜査員は苦戦を強いられる。
パソコンのアイコンはイコンが語源だという。
イコンとは東方正教会で使われる宗教画のこと。
現世と神の世界をつなぐ窓だと考えられていて、
人々はその窓を通して神に会うという。
しかし、この有森とファンをつなぐアイコンの向こう側に
あったのは、きわめて現実的な悲しい事実でした。

で、さらに、仕事一辺な父親と家庭崩壊寸前な家族の修復の
話でもあります。
少年課の警官なのに、自分の子供も理解出来ない、いや、
理解しようとしない宇津木。
今時の若者はわからない、理解出来ない、とあっさり切り捨て
妻との会話も諦め、言い訳にもならない言い訳を自分に
言い聞かせていたが、事件を通して、少しずつ、間違って
いたのは自分なんだと気がついていく。
わからないことをわからないと放り投げるのは簡単でしょう。
拒絶してる人間に歩み寄ろうとする人間なんていないという
ことです。
そういう意味では、今回の事件もすんごい意味不明理解不能
だったんでしょうけど、諦めることを我慢して、自分なりの
歩み寄りを試みた結果、家庭のことまでいい方向に転んだと。
流行ものは強い(笑)

さて。
待ってました!の速水小隊長、大爆走(笑)
いや、とりあえず神南署では交通課の係長で、書類仕事で
机に縛りつけられ、檻の中の猛獣状態であり、スープラ
パトカー隊の小隊長だったのは過去の話になっているが。
捜査本部に吸い上げられた記念すべき1回目がこれ(笑)
交通機動隊として少年相手をすることが多かった経験をかって
安積が引っ張ってきたんだけど、超マイペース。毒舌。
で、いちいち、かっこいい(大笑)
そして、誰よりも安積を理解し、さりげないフォローに回る。
でも、本庁の刑事との衝突を誰よりも面白がっている(笑)
つか、そういう衝突が、安積の評判を上げていくことが、
わかってるんだよね。
渋谷署の過剰なまでの援護射撃がそれを裏付ける。
「おまえは上からは嫌われるが、下の者には慕われるな」

今回の速水語録のツボ。
捜査会議の安積のやり方について、いくつかのやりとりの後
「どうしておまえは、そういうところばかりみているんだ」と
呆れる安積に放ったひとこと。

「刑事の生態がおもしろくてな…」

ハンチョウ絶句(大笑)

速水に毒気を抜かれた感じになっちゃうけど、コンピュータ
といったら須田っすよねぇ。
こちらの静かな活躍もお見逃しなく(笑)
そして、村雨がめずらしく泣き言をいうのも(笑)

あ、そういや今回、速水は「おまえさん、しばらく、その
制服を脱いでみる気はないか?」といわれてたんだよな。
て、ことは、私服。でも刑事じゃないし、絶対背広なんか
着ないと思う。で、どういうかっこで安積と歩きまわって
いたんだろうなぁ(笑)
Gパンに革ジャンだったら、笑う。
典型的な、疲れたサラリーマン風な安積と、どうみてもそれじゃ
相棒じゃないでしょ(ゲラ)

だめだ、、、どうしても速水のことばかりになってしまう(^^;
すでに、恋だなこれは(自爆)
パトカー乗りたい…(そっちかよ・笑)

投稿者 fran : 23:42 | コメント (0)

2009年10月03日

蓬萊

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
そのゲームには「日本」が封印されている!?
人気沸騰のゲームソフト「蓬莱」を開発した
ソフトハウスは、パソコン版に続きスーパー
ファミコン版を計画した。
しかし、恫喝し、力尽くでその発売を執拗に
妨害する巨大な力が…。
バーチャル・ゲームと伝奇世界がリアルに
交錯する傑作エンタテインメント巨編。

神南署安積班シリーズの初めという位置づけが
なされてるようですが、、、
むしろ番外編ですね。
あくまでも、主役はゲームソフト会社の社長・渡瀬
ですので。

いやしかし、これすごいわ。
キーワードともなっているシュミレーションゲーム
「蓬萊」のディテールのリアリティさ。
シムシティの亜種みたいなもんだと話の中でも言われて
いますが、まぁたしかにそこからヒントは得てるんだろう
けど、本気で企画したら、乗ってくる会社あるんちゃう?

そして、そのゲームにかぶせた元となる古代伝説「徐福」。
秦の始皇帝に申し出、不老不死の薬を求め海を渡った徐福が
日本に渡来したという伝説が日本各地に残っている。
徐福=神武天皇という説もあるが、真相は定かではない。

・・・初めて知った・・・

わりかし歴史ものも読んでるつもりだったが、一度もその名前を
見たり聞いたり読んだりした記憶が、ない。
うーむ。これでまたひとつおりこうさんになったかなぁ(笑)
なにしろ、ものすごい掘り下げて語っていますから。
これ読むだけで、徐福の一通りの知識は付いちゃうくらい。
残念ながら、興味はそれほどもてなかったけどね(笑)

ともあれ。
「蓬萊」とは国作りのシュミレーションゲーム。
簡単に言っちゃうと「日本が封印されている」ゲームなんだそうだ。
で、国作りとはいえ、ただのシュミレーションゲーム。
そんなものを政治家がやくざを雇ってまで、発売妨害しようとする。
一体、ゲームと政治家になんの関係があるのか?
その謎を渡瀬と社員である沖田たちが解いていこうとする。
(解かなきゃ死活問題ですゆえ・笑)

その助けになっているのが、安積と須田と黒木。
今回この3人だけです。
もちろん、あくまでも警察官としての態度や対応は崩さない
ですけど、今までとは、ちょっと違った安積もみられます。
そして、今回主役は渡瀬なので、その渡瀬から見た安積が
描かれているわけで、結構新鮮でした。

それにしてもスーファミ、、、懐かしい(笑)
ほんとに、懐かしいもんばっかだよ、安積シリーズは(笑)
それでも、小道具がどんなに古くて懐かしくても、
作品としては古びてないところは、すごいことだと思う。

投稿者 fran : 23:18 | コメント (0)

2009年10月02日

硝子の殺人者

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京湾岸で乗用車の中からTV脚本家の絞殺死体が
発見された。現場に駆けつけた東京湾臨海署
(ベイエリア分署)の刑事たちは、目撃証言から
事件の早期解決を確信していた。
だが、即刻逮捕された暴力団員は黙秘を続け、
被害者との関係に新たな謎が―。
華やかなTV業界に渦巻く麻薬犯罪に挑む
刑事たちを描く、安積警部補シリーズ待望の刊行。

東京ベイエリア分署シリーズ第3弾。

これを最後に、シリーズはいったん幕を閉じます。
現実の副都心構想がバブルが弾け、止まってしまったからです。
結構実在のものがリンクしてるんで、無視出来なかったという
ことらしいです。
そして更に、これを最後に大橋が安積班を離れ臨海署を去り、
上野署を経て竹の塚署に異動します。
後に「最前線」で再会するのですけど、その様子はまた
その時に。

今回は政治家も絡んでくる微妙な展開。
相楽が権力に屈しているのか否か。
上昇志向が激しいやつは、自分の身かわいさに、どんな
横やりいれるか分からんしな。
という、安積vs相楽。
まぁ、やり方はどうあれ、相楽もちゃんと警察官でした(笑)
あ、ネタバレ?ま、いっか。
結果より過程が楽しい(笑)

話は1991年、18年前に書かれたものですが、覚せい剤や
暴力団などと芸能界の関わりなんて、まさしく今どストライク
じゃあないですか。
まぁ、別に今に始まったことじゃないわけですが、アイドルと
薬物って、、、ねぇ、、、

そして、警察官身内の犯罪。
安積はどう判断するか。どう結論にもっていくか。
そのあたりも、慎重で悩み深い彼の性格がよく描かれているかと。
そして、本当に、ひたすら警察官であろうとする、まっすぐな
生き方に感動を覚える。

えーと、今回は速水も交機隊も出番なしだったかな。
これもひとつの楽しみなんだけどね。
あ、思いっきり私用でパトカー飛ばしたか。
しかも、安積の元妻と娘の涼子の出迎え(笑)

「職務特権という言葉を知っているか」
速水が訊いた。安積はこたえる。
「職権乱用という言葉なら知っている」

この職務特権と職権乱用の考えの違い、ふたりの
性格の違いをものの見事に言い表していて
あたしのお気に入りのひとつです(笑)
そして、安積と元奥さんがよりを戻したがって
いることを、本人たちよりも察している速水が
誰より何より、心を砕く事柄なのがずっしり伝わります。
口ではすっごく迷惑そうなんですけどね。ハンチョウ。
そんな友情が、うらやましい。

投稿者 fran : 00:45 | コメント (0)

2009年10月01日

虚構の殺人者

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京湾臨海署―通称ベイエリア分署の管内で、
テレビ局プロデューサーの落下死体が発見された。
捜査に乗り出した安積警部補たちは、現場の状況から
他殺と断定。被害者の利害関係から、容疑者をあぶり
出した。
だが、その人物には鉄壁のアリバイが…。
利欲に塗れた業界の壁を刑事たちは崩せるのか?
大好評安積警部補シリーズ、待望の文庫化。

このハルキ文庫では、この「虚構の殺人者」と
「硝子の殺人者」が前後入れ替わっているみたいです。
つまり「硝子〜」が先に発売されたみたいなんですが
初出年代をみると「虚構〜」が先なので、ここは
あえて文庫の番号を無視させてもらいます。

「東京ベイエリア分署」シリーズ第2弾です。

東京湾岸で男性の死体が発見された。
男はテレビ局の敏腕プロデューサー・飯島。
新しいビルのオープン記念パーティーに出席していた飯島は
非常階段から転落死したものと見られた。
現場の状況から他殺と断定され、同じ局のプロデューサー
大沼が容疑者として浮かぶ。
二人は新番組の企画で対立していたのだ。
しかし、大沼には完璧なアリバイがあった。

今回速水は関わらないけど、大興奮の交機隊バトル(笑)
すんげぇかっこいいっす!
いや、これ本題関係ないんですけどね。
村雨と組む大橋が、杓子定規な村雨のせいで自分らしさを
無くしているのではないかと心配し、桜井を村雨と組ませ、
安積が大橋と組んで、別件の自動車窃盗犯を追っかけている
時の話です。

「臨海1。こちら臨海30。ショウはまだか?」
「臨海30。ご心配なく。ショウタイムです」

その瞬間、脇を駆け抜けていく怪物バイクGL1500。
そしていきなり路肩から現れるスープラ。
そのカーチェイスの一部始終を追っかけて、
アメリカの刑事ドラマを見てるようだ、とぽかーんと
する大橋に、手錠をかけに行かす安積。

こういう余談が憎い(笑)

さらに。
なんで刑事になれたのかさっぱりわからない、と周りは
思うであろう須田の活躍も地味ですが目が離せません。
大橋が手錠をかけた窃盗犯、頑なに口を閉ざしてる、を
口割らしちゃうんですから。

勘ぐり大王・安積の表にださないおろおろも見所(笑)

そして今回も、相楽、惨敗(笑)
ますますライバル意識燃やすことに(大笑)

警察ものとしての見所も、人間模様の見所も、きっちり
楽しめます。

投稿者 fran : 00:49 | コメント (0)

2009年09月30日

二重標的〜ダブルターゲット〜

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補のもとに、
殺人事件の通報が入った。若者ばかりが集まるライブハウスで、
30代のホステスが殺されたという。
女はなぜ場違いと思える場所にいたのか?
疑問を感じた安積は、事件を追ううちに同時刻に発生した
別の事件との接点を発見。繋がりを見せた二つの殺人標的が、
安積たちを執念の捜査へと駆り立てる―。
ベイエリア分署シリーズ第一弾。

初出1988年。古っ!(笑)21年前。。。
だのに、なんでこんなに今でもしっくりくるんでしょうか(^^;
違和感なんて携帯がないこと、スープラが現役だったこと、
そんくらい?(大笑)
台場に思い入れはないから、そっちは無視で。
あ、ゆりかもめもないのか。
船の博物館だけだもんなぁ。なつかしー(笑)

まぁ、そんな時代です。
はっきり言っちゃうと、シリーズを一つながりと見た時に
まるきり「サザエさんワールド」と化してる年齢設定だけが
ひっかかりますが、そこは無視しろということなんでしょかねぇ。
きっとハンチョウは永遠に45歳(笑)

初出では名前もなかった速水が文庫ではフルネームちゃんとついてます。
安積も速水も、初々しいシリーズ第一弾です(笑)
そして相楽警部補とのバトルの始まりでもあります。
これがえらい楽しい。
闘志むき出しで手柄を焦りまくる相楽と、実に淡々と人の話を聞き
分析しつなぎ合わせていくだけの安積。
部下がこれまたいいキャラで。

この「東京ベイエリア分署」シリーズでは、安積、村雨、須田、
黒木、大橋、桜井という6人の班になっています。
村雨と大橋、須田と黒木、そして安積は一番末っ子の桜井とペア
ということになっています。
後に大橋は安積班を離れ、桜井が村雨と組むのですが、大橋でも
桜井でも、村雨の組は、安積が気にするという(笑)

たぶん、社会において、すごく理想的な上司と部下の関係というのを
この安積班は築いているんじゃないかと。
だって、安積は村雨のことすごく苦手なのに、すごく頼りにしてるし
評価もしてる。でも苦手なの。ずっとぶつぶついってるもん(笑)
理解しようではなくて、自分の感情や考えをぶつけないようにしてる
上司なんて、なかなかいないと思う。
どうしたって、自分に合わない人間が絶対いるのは事実だから。
嫌いとかじゃない。何がどうでもない。ただ、合わない。
いるよね?
普通なら無視すればいい。
けど、それが自分の部下だったら?
そこに、安積という人間の器の大きさが描かれていると思う。

このシリーズ、思いっきり途中の1冊「神南署安積班」を読んだ時、
ドラマの方がいい、なんて書いた記憶ありますが、撤回します(爆)
やはり、最初から読まないとその良さは分からない。
というか、シリーズ順番に読んでいくと、その良さがどんどん
大きくなっていくんだよ。すごい今野マジック(笑)
ということで、一部を抜き出してもその良さはわかりません。
ぜひ、最低でも3冊。絶対揃えたくなること請け合いです(笑)

投稿者 fran : 01:39 | コメント (0)

2009年06月26日

神南署安積班

今野敏:著者
ハルキ文庫

「BOOK」データベースより
人と犯罪の溢れる街、渋谷。その街を管轄とする警視庁神南署に
張り込む新聞記者たちの間で、信じられない噂が流れた。
交通課の速水警部補が、援助交際をしているというのだ。
記者の中には、真相を探ろうとするものも現れ、
署内には不穏な空気が―。
刑事課の安積警部補は、黙して語らない速水の無実を信じつつ、
彼の尾行を始めるが…。
警察官としての生き様を描く『噂』他、8編を収録。
大好評安積警部補シリーズ待望の文庫化。

はい、いわずと知れたドラマ「ハンチョウ」の原作。
の一部です(苦笑)
これ、ベイエリア分署とか東京湾臨海署とか、シリーズ
バラけてて、どれが最初なんだか、わかんないんですよぅ!
どっかにリストがあったんだけど。。。ぶつぶつ。。。

正直、こいつに関してはドラマの方が好きですねぇ。
いや、佐々木蔵之介殿のファンだからという訳じゃあないですが。
(余談だが「臨場(横山秀夫・著)」もドラマの方が好きです)

話的には、やっぱり原作がしっかりしてるんですけど、
人物像がねーみんなキツいから(笑)
とはいえ、思いっきり中盤を引っこ抜いてしまったようなので
がんばって最初から探して集めてみます。
そうすれば、もう少しドラマから離れた人物像が浮かび上がるかと
思います。
今野氏は悪くない作家だと思っているので。

ただ。
題名ころころ変えんのやめてもらえないかなぁ(苦笑)

投稿者 fran : 01:23 | コメント (0)

2009年01月20日

特殊防諜班 連続誘拐

今野敏:著者
講談社文庫

「BOOK」データベースより
宗教団体教祖の奇妙な誘拐事件が相次いで発生した。
教祖たちは無事解放され、一様に何も覚えていない。
だが、雷光教団・東田夢妙斎の事件は違った。
真相を追う「首相の代理人」真田は、陰にある巨大な陰謀と
遥か古代から受け継がれた血の伝承を探しあてる。

投稿者 fran : 21:16 | コメント (0)

2008年06月26日

ビート

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
日和銀行の会社ぐるみの不正に対し、警視庁捜査二課は地を這う捜査で
着々とその証拠を積み上げていった。ベテラン刑事・島崎洋平警部補は、
その最中に知人の日和銀行員に脅される。長男・丈太郎の就職と引き換えに
捜査情報を洩らせと…。島崎がその泥沼に首までつかったころ、
次男の英次は偶然そのことを知る。英次の心に、やがて闇が芽生えた。
書き下ろし野心作900枚。

刑事とはいえ人の親。
親は子供を守りたい。
それが例え、子供の心を推し量れなくなってしまっているとしても…。

今現在の、子供が分からなくなっている親たち。
警察官だとしても不思議はないわけで。
そこんとこの葛藤がうまく描かれているなぁと思います。

樋口シリーズであるけれども、樋口よりも事件よりも、ベテラン刑事である
島崎の葛藤が中心であると思う。
子供を人質に取られた親はここまで脆いものか。
そして、子供はここまで強いものか。
理想論と批判されるギリギリの線で踏みとどまった話は、なかなか
よかった。親の気持ちも子供の気持ちも、きっとどちらもわかる。
まぁ、それが理想論なんでしょうけど。

すっかりハマっているみたいです。今野氏(苦笑)
横山氏とはまた違った味の警察小説なんだよなー

投稿者 fran : 00:51 | コメント (0)

2008年04月17日

朱夏

今野敏:著者
新潮文庫

うらがきより
あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。
樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。
そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。
あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。
だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだ――。
その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。彼を支えてきた妻。
二つの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。

「リオ」に続く、警視庁強行犯係・樋口顕のシリーズ。

んー、ま、いいか。以上。

…じゃ、感想になりませんが(苦笑)

妻の恵子が何者かに誘拐された。
ある事情から個人的にしか捜査ができない樋口は、かつて一緒に仕事を
した氏家とともに追跡を開始する。

って、もぅ殆ど最初から犯人分かってるし、謎解き系ではないんですが。
しかも、自信ナッシングな樋口警部補だし。
すごく一生懸命なんですけどねぇ。

思ったんだけど、なんとかシリーズになっちゃうと、いまいちかも。
単作ででてる方がおもしろいや。
警察のホームドラマになっちゃうと、よっぽど魅力ないとちょっとね。

投稿者 fran : 00:20 | コメント (0)

2008年04月08日

隠蔽捜査

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。
連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に気づいた。
そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る—。
互いに自らの正義を主張するキャリアとキャリアの対立。
組織としての警察庁のとるべき真の危機管理とは。

うぬー
お固いお固い。
常識とか正義とかが服着てるような、くそ真面目オヤジの竜崎。
警察の中にも、もはやこんな時代錯誤なやつはおらんやろーという。
読んでて所々腹立つんだが、それが嫌味でもなんでもなしに、そういう
生き方しかできないんだということがわかってから、なんかかわいく
なってきた(爆)
実際こういうのが目の前にいたら、その融通の利かなさに、頭かきむしる
だろうけど。

ここまでとはいわん。
しかしその1/10でも今の警察に欲しいモノではある。

今、本屋で「今野敏フェア」とかやってるので、既刊の文庫が沢山
あったりするんだが、どうも時代物の「〜シリーズ」みたいな感じで
そっちはちょっと引いていたり(^^;
あんまり読み過ぎても飽きるしー(ヲイ)
量産作家みたいなネタ使い回し〜にならないことを祈る・・・

投稿者 fran : 00:24 | コメント (0)

2008年02月06日

リオ-警視庁強行犯係・樋口顕-

今野敏:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
警視庁捜査一課強行班の樋口顕警部補は東京・荻窪で起きたデートクラブの
支配人の刺殺事件を追っていた。目撃者によると、事件後、現場から逃走する
少女の姿があったという。捜査本部はその少女「リオ」に容疑を深めるが、
樋口は直感から潔白を信じる。だが、「リオ」の周囲で第二の殺人が…。
刑事たちの奮闘をリアルに描いた長編本格警察小説。

本屋で平積みにされてたんだが、意外にも10年前の作品だった。
しかもNHKでドラマ化もされてたらしい。
最近注目なのか?この作家。

内容的には悪くないんだけど、主人公の卑屈なまでの自信のなさが
苛ついて(苦笑)
ビクビクしてるとか、人の顔色ばかり伺ってるとか、波風立てないように
とか書いてる割に、行動は結構大胆。
だったら書くな(笑)
ま、そういう性格が、こういう行動起こすってのに、なんか狙ってる
かもしんないけど。うざー

それ以外は、いいと思います。
主人公にダメだったら読めないと思っていたけど、そんなことなかった。
自虐趣味なんだと諦めたら、いいのかもしれない(笑)

投稿者 fran : 00:03 | コメント (0)