2009年01月08日

沼地のある森を抜けて

梨木香歩:著者
新潮文庫

「BOOK」データベースより
はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ―
「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、
森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。
厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。
久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に
仕込まれた可能性への夢。
連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。

投稿者 fran : 20:52 | コメント (0)

2007年07月30日

エンジェルエンジェルエンジェル

梨木香歩:著者
新潮文庫

うらがきより
コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受ける
ことで熱帯魚を飼うのを許された。
夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような
表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が
目にしたものは・・・なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、
おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす。

現在と、若き日のおばあちゃんの話が交互に語られる。
いってしまえば懺悔録?
このくらいの「悪」なんてかわいらしいもんじゃないの、と言ってしまう
あたしは、相当腹黒かしら(苦笑)

このひとのは、家守綺譚みたいな話の方が好きだな。

投稿者 fran : 00:44 | コメント (2)

2007年01月08日

村田エフェンディ滞土録

梨木香歩:著者
角川書店

「BOOK」データベースより
町中に響くエザン(祈り)。軽羅をまとう美しい婦人の群れ。
異国の若者たちが囲む食卓での語らい。虚をつく鸚鵡の叫び。
古代への夢と憧れ。羅馬硝子を掘り当てた高ぶり。
守り神同士の勢力争い—スタンブールでの村田の日々は、懐かしくも
甘美な青春の光であった。共に過ごした友の、国と国とが戦いを始める、
その時までは…。百年前の日本人留学生村田君の土耳古滞在記。

「家守綺譚」の綿貫の友人である村田の土耳古滞在記録です。
家守〜のなかでも、土耳古から手紙をよこして、綿貫の生活に少なからず
影響を及ぼしています。

日本が開国して間もない時代、異国で学び、暮らす村田。
その戸惑いや発見、喜び、驚きなどが優しい文章でつらつらと描かれている。
下宿先のそして仕事場の様々な人種との交流。
避けては通れぬ信仰宗教の違い。
まっすぐに向き合い付き合っていく村田の生真面目さ。
国を人種を超えて理解し合おうとする心は、今の日本人がとうに失って
しまった「気持ちの豊かさ」を思わせ、なんて幸せなひとだろうと
嫉妬も感じる。

そして、ラスト。
話が進むごとに、じわじわと不穏な空気をからめてはきていたが、
「ちょっとまてっ!!」と慌てるほどの急転直下。
号泣。
いや、マジ。こんな泣きながら読んだ本、久しぶりでした。
鸚鵡(おうむ)というのがミソなんだな。くぅ〜
電車とか外じゃなくて良かったよ。

読んだのはちょっと前だが、新年最初のレビューは絶対こいつにしようと、
あたためていた(笑)
いい本、出会えました。感謝。
文庫になったら買おうっと。

投稿者 fran : 23:19 | コメント (2)

2006年11月24日

家守綺譚

梨木香歩:著者
新潮文庫

うらがきより
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯接近。四季折々、草・花・鳥・獣・
仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多・・・
本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ
棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき
電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。

くふふふふ(^^)
読みながらついついニヤニヤしてしまう楽しさ。

さるすべりの花に惚れられ、河童の抜け殻を庭に置き忘れられ、竜田姫の
侍女に迷い込まれ、白木蓮の蕾から白竜が孵り・・・
そして、とうの昔に亡くなった友人が掛け軸のなかから舟を繰って現る。
とても不思議で、美しい世界が織られています。
物書きとして駆け出しの征四郎は、そんな世界に驚きながらも否定はせず
時には振り回されながらも、日々をゆったりと生きています。

ぶんぶんが「坂田靖子のマンガで読みたい!」と貸してくれましたが、
うん、確かに坂田世界だ。
なんといってもゴロー、ここでは犬ですが、とてもいい味でてます。

いやぁ、こんな家に住んでみたいなぁ〜

投稿者 fran : 23:52 | コメント (2)