2010年02月18日

罪・万華鏡

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
ある日突然、友人・魔作子を殺害し、
それを天誅と言った正子。彼女は上流家庭に育ち、
絵画の才能を伸ばすための留学を控え、
充実した日々を送っていたはずだった。
何が正子を凶行に駆り立てたのか?
精神分析医・吹原は対話と調査から、彼女の生活と
心を撹乱した原因を探ろうと試みる。
日常に潜む無意識の悪意が作る罠と、少女の心に
眠る真相とは。「異常心理」他、全四編を収録。

館三部作にもいたんだっけ、吹原医師。
その精神分析医の助手として傍らにいる「私」の
視点と調査事実で語られる話。

「正子・魔作子」「正世・魔作世」「正恵・魔作恵」
吹原医師のもとに現れたのが「正」であり、死んだのが
「魔作」であり、全ての話はそのように進む。
加害者であり被害者でもあるのが、吹原医師のカウンセリングを
受けるうちに、偽りの真相であったものが、真の真相に
導かれていく。

かなり少女趣味の強い佐々木作品であるが、これはその毒味が
大分薄いように思える。
それでも「助手」の少女性はきついけど(笑)

まだ、もう少し作品は残っているみたいです。
それらが全て文庫化されることを祈りつつ。。。
お願いします、創元推理社さま。。。

投稿者 fran : 00:09 | コメント (0)

2010年01月26日

罪灯

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
「手を下さなければ殺人ではない。私は何もしていない」
偶然と悪意が重なる瞬間に“完全犯罪”を成し遂げた、
春夏秋冬を名に冠する四人の少女と四つの事件。
彼女たちの前に、それぞれの罪を見抜いた男性が現れる時、
その心をよぎるものは―。
犯罪心理と少女の心の綾を巧みに組み合わせた、
全編を通して蓋然性の犯罪を扱う幻のミステリが初文庫化。
『危険区域』他、全四編を収録。

偶然がまねいた死の影。
それは事故なのか、完全犯罪なのか。

友人を罠にはめ、湖へ沈めた冬都。
川で溺れる母子を見殺しにした春都。
放火殺人の真相を黙秘した夏都。
急病人と老女を死へ誘った秋都。

無罪の影に隠された真実は、4人の男たちに暴かれてゆく。

プロバビリティの犯罪。
解説によると、「階段にビー玉を放置して相手が転落死するのを待つ
といった、確実性に乏しくとも疑われる危険も少ない犯罪」だそうだ。
名付け親は江戸川乱歩。

なるほどなあ。
犯罪か否かといわれりゃ、否と言わざるを得ない。
せいぜい、良心がとがめるかどうかくらいの。
いや、わかっててやったんだから、良心もなにもないか。
そらへんのポイントはきっちり押さえてありますね。
うまいですよ。
で、相変わらず、男女関係はこんぐらかり。
少女マンガっすね。かなりひねくれた(笑)

あと何作残ってるんだろうなぁ。

投稿者 fran : 02:04 | コメント (0)

2009年08月08日

風花の里

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

うらがきより
幼馴染の丈と忍び込んだ雪の邸で、三人の幼児を目撃した
星玲子は、その時川に落ちた愛猫とらを救ってくれた優しい
少年に思いを寄せる。父母を失い一人札幌に向かう道にも、
彼は現われた。丈ととらに護られて成長する星玲子は、
一途にかつての少年を思い続けるが、祖父の“遺産”を巡る
策謀と、三人の幼児に繋がる縁が彼女を翻弄する。
『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』姉妹編。

投稿者 fran : 23:59 | コメント (0)

2009年05月15日

花嫁人形

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
父と母、そして四人の姉妹。幸福な家庭の中で、
血の繋がらない昭菜だけは教育も与えられず、
孤独に育った。叔父の壮嗣は陰で時々優しくしてくれるが、
皆の前では末娘の織ばかりを可愛がる。
孤児という境遇と許されぬ恋に苦しむ昭菜は、
ある事件をきっかけに、新たな秘密と罪を背負うことになる。
血縁と企業が絡んだ宿命に翻弄される人々を描く、
『雪の断章』『忘れな草』姉妹編。

『雪の断章』が「情熱」なら、『花嫁人形』は「白い炎」。
ともに、斉藤由貴のヒット曲。
いや、『雪の断章』は映画化されて「情熱」が主題歌なのは
ありますが(知らなかったけど)、『花嫁人形』はないです。
けど、読んでるうちに、「白い炎」がエンドレスになりました(^^;
どうも、イメージが重なるようです。

しかし、ものすごい複雑。
4部作、3作目のここまで、全部孤児の話でしょう。
それが全部繋がってんですから。
しかも、ここだけじゃなくて、佐々木作品全部がどっかしらで
なんかしら繋がっているとのこと。

…伊坂幸太郎をもっと複雑にした感じ(笑)

復刊しても、尚手に入らないのはあるかもしれない。
がんばって集めないと。

決して読みやすい文体でもないし、むしろ抽象すぎて
苛つくんじゃないかというくらいなのに、
ましてや、言ってしまえばただの恋愛小説なのに、
なぜここまでのめりこむのか、自分でもわかりません(^^;
けど、しばらくは追い続けるでしょう。

投稿者 fran : 23:48 | コメント (0)

2009年04月11日

忘れな草

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

うらがきより
泣き虫の葵と美しい弥生。同じ孤児でありながら、葵は虐げられ、
弥生は愛されて育った。
ある日、五人の男が大企業の継承権を持つ少女を求め、
二人のもとを訪れる。葵と弥生、どちらが本物の継承者なのか? 
閉ざされた邸に引き取られ、ともに教育係の高杉に想いを寄せる
彼女らが辿る運命とは──。
権力争いの“駒”として育てられた少女二人の友情と懊悩を綴る
『雪の断章』姉妹編。

投稿者 fran : 00:56 | コメント (0)

2009年02月06日

雪の断章

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

うらがきより
迷子になった五歳の孤児・飛鳥は親切な青年に救われる。
二年後、引き取られた家での虐めに耐えかね逃げ出した飛鳥に手を伸べ、
手元に引き取ったのも、かの青年・滝杷祐也だった。飛鳥の頑なな心は、
祐也や周囲の人々との交流を経て徐々に変化してゆくが…。
ある毒殺事件を巡り交錯する人々の思いと、孤独な少女と青年の心の葛藤を、
雪の結晶の如き繊細な筆致で描く著者の代表作。

これを読んでる途中から斉藤由貴の「情熱」が頭をぐるぐる
駆け巡り、なんでなのかさっぱりわかんなかったんだけど。
この作品ググったら、すっきりしました。
斉藤由貴主演で映画化されてんだ!
で、主題歌が「情熱」なんだ!

たぶん、映画化されてることすら意識外だったあたしでも
この作品と「情熱」はシンクロするくらいなんだから、すごいと思う。
そもそも「情熱」を聞くたびに北海道のイメージが広がり
それがまず謎だったんだけどね。
そして、歌詞の内容とこの作品も全く違うのです。
それでもシンクロした。そんなこともあるんだなぁ。

で、小説の方はというと。
すごく純文学ぽくて、所々読みにくい表現とかもあるけど、
たぶんあたしの世代ならば、許容範囲。
個人的には、すごく好きです。
北村氏と1、2を争うかも。

内容的には「源氏物語」みたいなんだけどね(笑)
施設で育った子供と出会った青年。
数年後偶然再会したふたり。
子供を引き取る青年。辛いことしかない人生を諦めかけてた孤児。
人の内面の難しさ。愛情。憎悪。罪、そして罰。
淡々と進む話のようでいて、実は読む人の奥深くに突き刺さる。
たくさんの愛と憎しみがぎっしり詰まっています。
このふたつはほんとうに裏表なんだなぁ、としみじみ思いました。

これからも、丸美作品の復刊が進むように祈っています。


投稿者 fran : 21:54 | コメント (0)

2007年07月13日

夢館

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

うらがきより
崖に聳えるガラスの館。かつてそこで命を落とした少女、千波は再びの生を
得て、青年学者の吹原と出会う。しかし二人の前世からの縁と、吹原の一族に
潜む愛憎がもたらす過去の悲劇が、千波に新たな試練を課した。
前世の思い出を映す未来に導かれるように、千波は崖の館をめざし、
歩きはじめる。
少女と館を巡る3つの物語、完結。単行本未収録作品「肖像」を併録する。

「崖の館」「水に描かれた館」に続く館シリーズ三部作、完結。
輪廻転生がテーマの、ちょいと取っ付きにくい小難しさがあったけど
あたしは三冊の中ではこれが一番好きかも。
でも、やっぱかなり変わってる(笑)

「崖の館」から「水に〜」はなんだか関連性がよくわかんなかったけど
「夢館」で一気に全部がつながりました。
ミステリというより、SFファンタジーだな。
結ばれなかった愛しい人と、来世では必ず、、、そんな想いを抱き、
千波はあくまでも千波で生まれ変わる、純愛っちゃ純愛なストーリー。
「水に〜」でちょっと辟易した感があったので、正直、これはどうしよう
かなぁと悩んだのですが、ま、よかったです。

もう、新作は読めないけど、またなにか復刊されたら買っちゃうかもね。

投稿者 fran : 23:04 | コメント (0)

2007年04月13日

水に描かれた館

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
いとこ三人の死の秘密をいだく“崖の館”。
財産目録作成のため再び集った涼子たちだが、招聘した鑑定家は予定より
一人多く来た。招かれざる客の目的とは。
奇妙な緊張を孕んだまま迎えた一日目の夜、聖書を携えた少女が館に
保護された。以降、人知を超えた出来事が館で立て続く。
幻視的世界の神秘を纏い繰り広げられる密室劇は終局に至って驚くべき
展開を遂げる。

伝説の作家・佐々木丸美が描く《館》シリーズの第二作。

館シリーズとあるが、前作がそれなりに完結していたので、別の違う話
なのかと思ったら、おもいきり続編でした(^^;
そして、純文学度が更にパワーアップしてた(^^;

涼子の視点で語られる点は、前作と同じ。
今回はその涼子が、一目惚れしてしまい、純愛小説とも、更に超能力と
いうのか、超非現実現象?とでもいうのか、怪奇小説ともとれそうな
推理小説(ややこしい)。あたしゃ妄想小説かとも思ったよ(ゲラ)

そんなこんなで、あちこち尻切れとんぼな感は否めない。
しかし、最後までどう転ぶかわからない所は、とても楽しめる。

どうでもいいが、前作でも感じたが、涼子、ナレーション(笑)いや
独白の時は、すんごい詩人なのに、会話になると途端におバカな
女子高生になる(笑)
今回は思いっきり恋する少女なので、さらにどっかとんじゃってます。

ある意味狂気に呑み込まれていかないと完読はできまい。
結構好きな世界である。
(今回は少々うざかったけどな。涼子)

投稿者 fran : 23:37 | コメント (0)

2007年02月07日

崖の館

佐々木丸美:著者
創元推理文庫

うらがきより
財産家のおばが住まう<崖の館>を訪れた高校生の涼子といとこたち。
ここで二年前、おばの愛娘・千波は命を落とした。
着いた当日から。絵の消失、密室間の人間移動など、館では奇怪な事件が
続発する。家族同然の人たちの中に犯人が?千波の死も同じ人間が
もたらしたのか?
雪に閉ざされた館で各々推理をめぐらせるが、ついに悪意の手は新たな
犠牲者に伸びる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1949年北海道生まれ。75年『雪の断章』でデビュー。
77年『崖の館』を発表。抒情と幻想を湛えた独自の作風で人気を博す。
2005年12月逝去。

だ、そうだ。
絶版になっていた本が、これから復刊していくらしい。
<館>三部作の第一弾。

これは、萩尾望都とか好きなひとは好きなんじゃないかなぁ。
心理学・論理学・哲学。えぇ、かなり哲学的な文章です。
途中で眠くなるという(笑)
しかし、「館ものミステリ」としての完成度はもちろんのこと、話を
進める上での視点がすごくうまいと感じた。
ただ、高校生にしては幼い感じを受ける涼子、あたしはあんまり好きに
なれなかったが(笑)

少々難解ではあるが、せっかくなので三部作、制覇してみよう。
そろそろ二作目は出るはず。

投稿者 fran : 23:12 | コメント (0)