2008年12月10日

容疑者Xの献身

東野圭吾:著者
文春文庫

「BOOK」データベースより
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の
石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。
彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため
完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である
物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

東野氏の作品はぬるいものが多く、いかに
売れてようが、いや逆に売れてるからこそ
手を出さない方が良い、というジンクス(?)が
あるのに、うっかり購入。
で、後悔。とまではいかないけど。
面白かったよ。確かに。
貫井氏や伊坂氏を読み慣れてるせいで、叙述トリックは
あまりにもささやかでしたが(苦笑)

まぁ、内容的にはよく練られているし、人物構成も
なかなか面白かったし、ラストもよい。
でも、やっぱりぬるかった(苦笑)
このご都合主義が文面に滲んでこなくなれば、いい作家に
なるんだろうけどな。

投稿者 fran : 20:37 | コメント (0)

2007年05月16日

幻夜

東野圭吾:著者
集英社文庫

うらがきより
阪神淡路大震災の混乱の中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。
それを目撃した女。二人は手を組み、東京へ出る。
女を愛しているがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めてゆく男。
やがて成功を極めた女の、思いもかけない真の姿が浮かびあがってくる。
彼女はいったい何者なのか?!
名作「白夜行」の興奮がよみがえる傑作長編。

さんざん、1ヶ月くらい買うかどうか悩みました(^^;
だって東野だし(^^;
で、やっぱり、案の定というか(苦笑)

女の張りめぐらした罠に、吸い込まれるようにかかっていく男たち。
魔性の女とでも言えばいいのでしょうが、とにかくぞっとするくらい
怖い女です。すでに人間じゃない。
そういう所を徹底的に描き切ったのは、見事ですが。
拍子抜けのラストも含めて、めちゃくちゃ後味悪いです。

これが「白夜行」の”続編”か否か、いろいろ話が飛び交っていますが
正直、どっちだっていい。
どっちも人間のダークサイド。
自分の為ならば、とことん他人を利用する。
徹底的に計算された罠でもって。
読んでて気持ちがいいもんじゃないです。

で、これって、3部作とか。
やっぱり次も買うしかないんだろな、ここまできたら(^^;

投稿者 fran : 23:51 | コメント (0)

2006年11月28日

手紙

東野圭吾:著者
文春文庫

うらがきより
強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から
月に一度、手紙が届く・・・
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに
「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。
人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。
犯罪加害者の家族を真正面から描き、感動を呼んだ不朽の名作。

「強盗殺人犯の弟」という運命─
差別はね、当然なんだよ。
犯罪者やそれに近い人間を排除するというのは、
しごくまっとうな行為なんだ。
我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。
自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる。
すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。

(本文より)

いわずと知れた、本屋で平積み山積みになってるベストセラー。
わかりきっていても、つい買ってしまいましたの。
まぁ、言ってる事はまっとうなんだろうねぇ。
決して、悪意があってやったわけではない、自分のために兄が罪を
犯したのだから、許さなければならない。
わかっていても、、、

一番苦しむのは、罪を犯した当人ではなく、周りなのだ。
それを切々と訴えていくのが本書である。

読まずともわかってしまう内容ではありましたが、一応読んでおくのも
悪くはないんじゃないかと。
兄貴のバカさ加減に苛つきましたけど(笑)

投稿者 fran : 23:16 | コメント (0)

2006年03月27日

レイクサイド

東野圭吾:著者
文春文庫

うらがきより
妻は言った。「あたしが殺したのよ」─湖畔の別荘には
夫の愛人の死体が横たわっていた。四組の親子が参加する
中学受験の勉強合宿で起きた事件。親たちは子供を守るため
自らの手で犯行を隠蔽しようとする。が、事件の周囲には
不自然な影が。真相はどこに?
そして事件は思わぬ方向に動き出す。

主人公の視点とか、誰かの視点ではなく、完全に外側から
客観的な視点でもって描かれた話である。
いうなれば、ドラマとか映画とか、私たちが見ているという
ごくありふれた感じなんだけど、小説でこれをやるのは
なかなか大変そーだな。
東野氏って、うまいんだかへたなんだかよーわからん(苦笑)

というのも、見せ方はすごくいいなと思ったんだけど、内容が
なんかいまいち・・・インパクトに欠けるつーのか・・・
愚かな親たちの、冷静すぎる判断っていうのが、なんかありきたり
でつまらんなぁ、という感じで。
主人公、もっとひっぱれよ、とか思ってしまった。

んーでもまぁ、いいかな。比べてるのが「天空の蜂」だからな(笑)

投稿者 fran : 23:19 | コメント (3)

2005年12月09日

時生(トキオ)

東野圭吾:著者
講談社文庫

うらがきより
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、
宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との
想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった
拓実は「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して
消えた恋人・千鶴の行方を追った─。
過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の
集大成作品。

自分の親が若かった過去に行けたらどうしますか?
両親の出会いもまだ先の話で、そんで父親がどうしようも
ないぐうたらだったら?(笑)

拓実の息子「時生」は、グレゴリウス症候群という不治の
難病で10代後半で死に至ることが最初から分かっていた。
妻の麗子がそういう家系であったからだ。
しかし、それでも産み育てる決心があったのは、まだ拓実が
20代そこそこのときに出会った、ある青年が記憶の奥に
埋もれていたからだった。「時生」が産まれた時には
気がつかなかったその記憶が、彼の死を前に鮮やかに甦る。

拓実23歳、短気なせいで職も続かず、だらだらとでかい
夢だけを語っていた頃。
「トキオ」と名乗るその青年は、素性も何も明らかにせず
拓実の周りをつきまとう。
拓実の過去をやたら詳しく知るその青年に不審を抱くが
なんとなく他人とは思えない親近感もあった。

そのあと、恋人の千鶴が奇妙な失踪をし、彼女を捜して、いろんな
壁にぶちあたりながら、拓実は少しづつ成長していく。
なんか、息子に助けられて成長する親父ってなぁ、と茶々いれたく
なりますが、いやなかなかこれがおもしろい。
この「トキオ」は「時生」が死んだ後に過去に甦る(?)という
設定で、正直かるーいタイムパラドックスに陥って、頭ぐるぐる
しかけた(^^;

決して奇想天外な話ではないし、読み終わった後に、柔らかな
余韻があります。
これってドラマ化してたんだねー。

投稿者 fran : 23:31 | コメント (0)