2009年12月08日

遠きに目ありて

天藤真:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
成城署の真名部警部は、偶然知り合った脳性マヒの
少年の並外れた知性に瞠目するようになる。
教えたばかりのオセロ・ゲームはたちまち連戦連敗の有様だ。
そして、たまたま抱えている難事件の話をしたところ、
岩井信一少年は車椅子に座ったまま、たちどころに
真相を言い当てる…。
数々のアイディアとトリックを駆使し、謎解きファンを
堪能させずにはおかない連作推理短編の傑作。

極めつけの安楽椅子探偵、という感じ。
実際動けないんだから、しゃーないが、話だけで
ここまでスジが読めるかゆーのが、すごいよな。
うまくできたもので、なんらかの障害を持ってるひとは
それを補ってあまりある特殊な才能があるらしい。
眉唾ですわね。

そんな、健常者の後ろめたい気持ちを特殊才能という
免罪符でごまかそうとしてる、ありがちな偽善者まるだしの
話かとおもいきゃ。。。

いんじゃない?
全然美化してないし。
出来過ぎ感はあるけど、ふつーに許容範囲。
真一をちゃんと、接触した上で、認めてる。
普通なら隠そうとするであろう面もきんと描いてる。

いい話だと思います。

投稿者 fran : 02:15 | コメント (0)

2009年03月28日

陽気な容疑者たち

天藤真:著者
角川文庫

「BOOK」データベースより
山奥に武家屋敷さながらの旧家を構える会社社長が、
まさに蟻の這い出る隙もないような鉄壁の密室の中で急死した。
その被害者を取り巻く実に多彩な人間たち。
事件の渦中に巻き込まれた計理事務所所員の主人公は、果たして無事、
真相に辿り着くことができるだろうか。
本書は、不可能状況下で起こった事件を、悠揚迫らざる筆致で描破した
才人天藤真の、記念すべき長編デビュー作。

投稿者 fran : 00:29 | コメント (0)

2008年12月09日

鈍い球音

天藤真:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
日本シリーズを目前に控えた東京ヒーローズの桂監督が、
東京タワーで不可解な失踪を遂げた。にわかに白熱化する
大阪ダイヤとの日本シリーズ。しかもその真只中、今度は
東京ヒーローズの代理監督が蒸発してしまった…。
事件の陰に潜む黒い陰謀を暴こうと奔走する新聞記者や
監督の娘比奈子の眼前に、やがて全野球ファンを熱狂の渦に
巻き込んだ壮絶な戦いを操ろうとする巨大な魔の手の存在が
明らかになる…。
本書は、不可能興味の横溢する事件をユーモラスな筆致で描いた、
野球ミステリの傑作である。

正直「なんだこりゃ?」と思いましたよ。
常に誰かが誰かをだましている。
だましだまされ、の応酬で、なにを信じていいやらもー
が、それが天藤なんだと思い出し、反抗するのはやめて
ただ素直に読んでいきました。
おかげで、いまだにさっぱりわかりません(大笑)

いわゆる八百長の話とでもいうのか。
ただ、八百長とはいえ、選手は何も知らずに、純粋に勝つ為に
戦ってるのだから、なんとも頼りない話であるが。
なもんで、かなり構成的にも「なんじゃこりゃ」な面が
あったりします。
まぁ、でも凝っていておもしろいです。
騙し方も凝ってるし(笑)

投稿者 fran : 23:06 | コメント (0)

2008年10月29日

犯罪は二人で

天藤真:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
二年三カ月ばかり食らい込んで出所したおれは、保護司の娘に一目惚れ。
真人間になります、と厳粛に誓約して幸運にも高嶺の花を手折ることが
叶ったのだ。しかし、白波稼業へ返り咲く夢断ち難く悶々と過ごす毎日。
そんなおれの肚を読んだわが慧眼の恋女房殿は、なんとなんと
「夫婦じゃないの。死ぬも生きるも一緒よ。二人で新しい怪盗を
作りましょうよ」と宣うた。さても夫婦善哉。

短編集です。
その中で「犯罪は二人で」を含む、夫婦怪盗(?)の3連作が目玉(?)と
なってます。
どれもユーモアたっぷりで面白い。
結構、この人の作品って、女が強い。
強いと書くより「強か-したたか-」と書いた方がいいですね。
ただ強いんじゃなくて、一筋縄ではいかないものも持っていますから。

短篇なのでいろんな話がいっぱい楽しめます。
たぶん、この人、短篇の方が上手いと思う。

まだAmazonでは手に入るものもいくつかあるみたいです。
まだ2冊ほど未読が残っているけど、全集として揃えてみようかなぁと
思ってます。

投稿者 fran : 00:53 | コメント (0)

2008年09月22日

善人たちの夜

天藤真:著者
創元推理文庫

あらすじ
危篤状態の父親を安心させるため、数日間嫁のふりをしてくれたら
お礼も弾む。恋人早川の後輩大羽からの奇妙な依頼に、自分たちの
結婚資金を生み出すため同意したみどりは、にせ花嫁になった大羽の
実家へと向かったが……。
著者最後の長編に、初刊時に削除された原稿二百余枚を巻末に
完全収録して、創作過程の一端が窺えるようにした。

なんつーか、、、よくまぁここまで(笑)
あっちも騙し、こっちも騙し、騙し騙され騙され返し状態(笑)
その騙し方までこと細かくかいてあるんだからもー。
いささか説明調がくどいです。
それでも、どうなるんだ?というわくわく感は維持できるので
やっぱ、すごいかも、この人。

とにかく、突拍子もない設定がかなり笑かしてくれます。
その当時でさえ、「初夜の見届け」なんてやらんでしょうよ(笑)

えーっと、もう亡くなってる作家さんですし、文庫は取り寄せないと
手に入らないかな?まぁ、見ませんね。そこらの本屋じゃ。
でも、全集に限るなら、まだまだ買えます。
たまたま古本屋で、大量にこの人のがあったんで、もぅ全部あるだけ
買ってきちゃいました。大量っても5冊くらいだけど(^^;

しかし、この本、半分が本編で半分が削除部分掲載なのよねぇ。
えらい削らされたんだなぁ。
全部元のままのも、と思ったが、さらに説明がくどくなるだけに
なりそうだったので、これでよかったのかも。

投稿者 fran : 23:06 | コメント (0)

2007年04月17日

大誘拐

天藤真:著者
創元推理文庫

「BOOK」データベースより
紀州随一の超大富豪・柳川家の女主人とし子刀自が、「虹の童子」と名乗る
ものに誘拐された。要求された身代金はなんと百億円。しかも犯人は、
金と引換えの場面をテレビで中継せよと捜査陣を煙に巻く。
いよいよ身代金受渡しの場面となるが、前代未聞の大事件はさてどんな
結末に。

天藤真:1915年-1983年
1962年、作家活動開始
1963年、第二回宝石賞受賞
1979年、本書で第三十二回日本推理作家協会賞受賞

ちょっと過去のお方でございますな。
しかーし。
今読んでも決して古くさくない。
非常におもしろかったです。
全集が創元推理社から出てるので、集めてみたくなっちゃったよ。
本書は映画にもなってるそうな。素直な作りなので、このユーモアを
生かせているなら、おもしろいと思われる。

さて。
紀州一の大富豪・柳川家の当主とし子刀自(刀自という言い方がいいなぁ)
は御年八十二。
刑務所の雑居房で知り合ったスリ師戸並健次と秋葉正義、三宅平太は
社会復帰を果たす元手を手に入れるため、その大富豪を誘拐しようと
計画する。
すったもんだの下調べの後、ようやく誘拐することには成功するが、
身代金5千万円と聞いた刀自は、大激怒。
なんと身代金を100億円に!!
そして、誘拐された刀自が犯人たちを指示して、100億を手に入れる
ための奇想天外な「誘拐劇」が幕をあける。

ちょっとね。有閑倶楽部、思い出しちゃいましたけどね(笑)
「あたしの値段はそんなはした金かぁ?!」って感じ。
ともあれ、誘拐された本人が協力してしまうのだから、上手くいかない
はずはないでしょうが、問題は100億というお金をどう現金化するか
そして受け渡しは?という点。
警察と誘拐団の知恵比べ。
しかし、刀自はいったいどうして、誘拐に協力する気になったのか。
上手な”金使い”とは何か?ということも考えさせられる一作。

全編に溢れるユーモアと優しさ。誘拐を扱いながら、誰も傷つかない。
久々にいい本に出会えました。

投稿者 fran : 23:12 | コメント (0)